“顔容”のいろいろな読み方と例文
旧字:顏容
読み方(ふりがな)割合
かおかたち63.6%
かんばせ12.7%
かおだち10.9%
かおつき3.6%
かほかたち1.8%
かほだて1.8%
かほつき1.8%
かほばせ1.8%
がんよう1.8%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“顔容”を含む作品のジャンル比率
歴史 > 地理・地誌・紀行 > アジア50.0%
文学 > 中国文学 > 小説 物語1.9%
文学 > 日本文学 > 小説 物語1.2%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
と、心を空にその年寄りだという娘の子の一人ある男の顔容かおかたちなどをいろいろに空想しながら、やたらに道を歩いていった。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
お辻の大柄な背のすらりとしたのとは違ひ、たけも至つて低く、顔容かおかたち小造こづくりな人で、髪も小さくつて居た。
処方秘箋 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
道ばたの朽木くちき柳に腰をかけ、一行が近づいて来ると、俄に、脱いでいた市女笠いちめがさをかぶッて、その顔容かんばせを隠していた。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その渦まく煙りのなかに浮き出している円満具足ぐそくのおん顔容かんばせは、やはり玉藻の笑顔であった。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
わたくしは又ぎよつとして振返ると、わたくしの左の方にならんでゐる十五六の娘——その顔容かおだちは今でもよく覚えてゐます。
美人という程ではないが、ふだん着のままでいても、ちょっと魅力のある顔容かおだちで、どこか世間馴れた風があった。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
小野田が物を食べる時の様子や、笑うときの顔容かおつきなどが、ことにそうであった。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
わたしはそのとき自分の眼の迷いではないかしらと思いましてようく見ていますと、その方は小母さんよりか肥っていて、小母さんよりか眼の怕い顔容かおつきで、小母さんよりか立派でだん/\小母さんに似ていなくなりましたが、あんまり不思議で傍の人にそっと聞いてみますと、小母さん、それが天野さんの奥様なのでした。
地上:地に潜むもの (新字新仮名) / 島田清次郎(著)
吉野は顔容かほかたちちつとも似ては居ないが、その笑ふ時の目尻の皺が、うやら、死んだ浩一——静子の許嫁——を思出させた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
化粧けはつてはゐないが、さらでだに七難隠す色白に、長い睫毛まつげと格好のよい鼻、よく整つた顔容かほだてで、二十二といふ齢よりは、が目にも二つかつは若い。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
うち見るところ七八歳ななつやつから十五六じふごろく歳までの頑是ない稚児の時代から既に物心ついた少年期の成人しきつた顔容かほつきの奴まで、それがたつた一人の生長史をまざまざと見せつけられるかと思はれるまで、眼の大きい、額の広くつて青い、鼻の尖つた、何れも寸分違はぬ、小賢しい面色をしてゐる。
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
の長崎にて見し紅化粧したる天女たちとは事変り、その物腰のあどけなさ、顔容かほばせのうひ/\しさ、青葉隠れの初花よりも珍らかなり。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
明邪めいじゃ御本体のわからぬ無名の石神様は、身に甲冑かっちゅうをつけ手に鉾らしいものを持ち、数百年の塵をあびて、顔容がんようおそろしげに、足元で浅ましい狼狽うろたえざまをしているふたりの人間どもを、冷々れいれい、見ておわすように思われました。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)