顔容がんよう)” の例文
旧字:顏容
陽にも焦け、埃にも汚れ、いかに道中を急速に上って来たか、その容子ようすにもうかがわれたが、顔容がんようにはさしたるつかれも見えない。静かに、白湯さゆをひと口のんで
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
明邪めいじゃ御本体のわからぬ無名の石神様は、身に甲冑かっちゅうをつけ手に鉾らしいものを持ち、数百年の塵をあびて、顔容がんようおそろしげに、足元で浅ましい狼狽うろたえざまをしているふたりの人間どもを、冷々れいれい
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)