“かほかたち”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
顏容34.6%
容貌15.4%
容㒵7.7%
顔容7.7%
顔貌7.7%
姿體3.8%
容色3.8%
容顏3.8%
面貌3.8%
顏容子3.8%
顏形3.8%
顏貌3.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
吉野は顏容かほかたちちつとも似ては居ないが、その笑ふ時の目尻の皺が、怎うやら、死んだ浩一——靜子の許嫁——を思ひ出させた。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
私は白晝でも眼さへつぶれば、梅川うめがはや、忠兵衞や、おこよや、源三郎や、ロメオや、ジュリヱツトや、パウロや、フランチェスカや、其れ等の若い人々の美しい容貌かほかたち、亂れた髮
歓楽 (旧字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
○さてまた芭蕉が行状小伝ぎやうぢやうせうでん諸書しよしよ散見さんけんしてあまねく人の知る所なり、しかれどもおきな容㒵かほかたち挙世きよせい知る人あるべからず。
の方にうるはしき声して、此の軒しばし恵ませ給へといひつつ入り来るを、あやしと見るに、年は廿はたちにたらぬ女の、顔容かほかたち三一かみのかかりいとにほひやかに、三二遠山ずりの色よききぬ
市雛いちびなやとてもかずある顔貌かほかたち 化羊くわやう
澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
みことを仰ぎ待ちつる間に、已にあまたの年を經て、姿體かほかたちやさかかじけてあれば、更に恃むところなし。
安眠は何よりも容色かほかたちを美しくするものだといふ事を思ふと、荷馬車の音も聞かないで、ぐつすり眠る事の出来るヴエニス女の美しいのに何の不思議はない筈だ。
あらひ或時は酒の給仕きふじなどにも出るにお花は容顏かほかたちうるはしければ是をしたひ多くの旅人の中には種々なるたはぶれ事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
昨日きのふこそ誰乎彼たそがれ黯黮くらがりにて、分明さやか面貌かほかたちを弁ぜざりしが、今の一目は、みづからも奇なりと思ふばかりくしくも、彼の不用意のうちに速写機の如き力を以てして
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
細君といふのは三十五六歳の顏容子かほかたちも先づ人並の方であらうが、至つて表情に乏しい、乏しいといふより殆んどぜろに近いほど虚心うつかりした風をして居るのである。
一家 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
見るに一くせあるべき顏形かほかたちなれば如何にもして此者と立ち別れんと漸々やう/\野尻宿迄來り近江屋與惣次よそうじと言ふ旅籠屋へとまりける
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
唯生憎前にも申しました通り、遠い影の中に居りますので、顏貌かほかたちははつきりと分りません。
地獄変 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)