“洗”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あら85.3%
あろ1.9%
すす1.9%
あらっ1.3%
あらひ1.3%
そゝ1.3%
なが1.3%
そそ0.6%
あえあ0.6%
きよ0.6%
すま0.6%
すゝ0.6%
すゝが0.6%
せん0.6%
0.6%
アラ0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
また、小川おがわれていって、ボンをみずなかれてあらってやったりして、ボンをよろこばせるのをもたのしみの一つとしているのです。
少年の日の悲哀 (新字新仮名) / 小川未明(著)
山寺の一室に行李こうりいた宣揚は、遠く本堂の方かられて来る勤行ごんぎょうの声に心を澄まし、松吹く風に耳をあろうて読書三昧ざんまいに入ろうとしたが
悪僧 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
ただお母様が毎日毎日他所よそへ行つて着物のすすぎ洗濯や針仕事をしていくらかの賃金を貰つて来てやつとほそい煙を立てゝりました。
金銀の衣裳 (新字旧仮名) / 夢野久作(著)
... 塩水へ漬けてあらっ蒸籠せいろうで蒸します。それを濃い甘酒へ漬けて四、五日置いて食べる時短冊たんざくに切って出します」妻君「松茸にも色々なお料理がありましょうね」お登和嬢
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
鉢肴はちざかなまたあらひとなへ、縁日えんにち金魚きんぎよどんぶりかせて——(こほりへてもいゝ)——のちにひきものにたせてかへす、ほとん籠城ろうじやううまあら傳説でんせつごとき、すご寸法すんぱふがあると仄聞そくぶんした。
九九九会小記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
盛りにて仙境のおもひあり聞く熱川にえがはには温泉のいづる所ありと此等こゝらに暑を避けて其の湯に塵をそゝぐならば即身即仙とんだ樂しき事なるべきに
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
やがてながに出て洗いおけを持って来るときは、お湯に逆上のぼせてふらふらしたが、額を冷水で冷したり、もじもじしているうちになおった。
快走 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
とばかりまろび出て来て、彼の手を取り、足をそそぎ、抱えるばかりにして家の内へ入れてくれた女性がある。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
容貌きりようのわるいつまつぐらゐ我慢がまんもなるはづ水呑みづのみの小作こさくとして一そくとびのお大盡だいじんなればと、やがては實家じつかをさへあえあはれて、ひとくちさがなし伯父そぢ伯母おば一つになつてあざけるやうな口調くてう
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
謙信の駒も、脚をきよめて、川波をざぶざぶ渡っていた。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
折々にさゞ波うつ柳眉まゆの如何なる愁ひやふくむらん、金をとかす此頃の暑さに、こちたき髮のうるさやとすましけるは今朝、おのづからの緑したゝらん計なるが肩にかゝりて
暗夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
庄馬鹿は洗足すゝぎの湯を汲んで持つて来る。疲れて、がつかりして、蔵裏くりあががまちに腰掛け乍ら、雪の草鞋わらぢほどいた後、温暖あたゝかすゝの中へ足を浸した時の其丑松の心地は奈何どんなであつたらう。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
足しいでつゝ手をばすゝがんと見れば雪隱せついんの角の柱に五合樽の片手かたてり引掛あれど中には水なし困じてそばに待ゐたる和吉に吩咐いひつけ井戸の水を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
為に、眠った間はほんのわずかであったが、それでも、大きな欠伸あくびを一つ放つと共に、夜来の疲れは頭から一せんされていた。そしてまた今夜も寝ずに頑張らなければならないと、ひそかに考えていた。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
先ずその蛙の巣窟をはらうに如ずと云うので、お出入りの植木職を呼あげて、庭の植込をかせ、草を苅らせ、池をさらわせた。
池袋の怪 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
ケサ、六時ロクジ林房雄氏ハヤシフサオシ一文イチブンンデ、ワタシカカナケレバナルマイトゾンジマシタ。多少タショウ悲痛ヒツウト、決断ケツダン、カノ小論ショウロン行間ギョウカンアラナガレテ清潔セイケツゾンジマシタ。文壇ブンダン、コノ四、五ネンナカッタコトダ。
創生記 (新字新仮名) / 太宰治(著)