“行李”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こうり78.0%
かうり16.6%
こり4.4%
ごうり0.5%
にもつ0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
とうとう六年目に、Hとわかれた。私には、蒲団と、机と、電気スタンドと、行李こうり一つだけが残った。多額の負債も不気味に残った。
調べると、この間から主人が盜まれたと言つてゐた五十兩の小判が、泥のついたまゝ、ボロきれに包んで、行李かうりの底に隱してあつたんです
僕のへやに置いてある荷物を始末したら——行李こりの中には衣類その他がすっかり這入はいっていますから、相当の金になるだろうと思うんです。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「お父つぁんのは、両行李ごうりぎゅうぎゅうにつめこんであげよ。お前のは軽くいれてな、なにせ、大きい弁当箱じゃもん。梅干うめぼしは見えんほど御飯の中に押しこまにゃ、ふたに穴があくさかい」
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
落草ぬすびとども道をささへて、行李にもつも残りなくうばはれしがうへに、人のかたるを聞けば、是より東の方は所々に新関しんせきゑて、旅客たびびと往来いききをだにゆるさざるよし。