“這入”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はい87.7%
はひ4.1%
へえ2.1%
はいり1.2%
はいっ0.9%
へい0.9%
はいつ0.8%
はいら0.4%
はえ0.3%
はひつ0.1%
はひり0.1%
はひれ0.1%
ハヒ0.1%
はいれ0.1%
はいん0.1%
はひら0.1%
はひる0.1%
ハエ0.1%
はいる0.1%
へいり0.1%
へっ0.1%
アタ0.1%
ハヒリ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ところが私と一緒に働いているここの職人の軽部は私がこの家の仕事の秘密を盗みに這入はいって来たどこかの間者だと思い込んだのだ。
機械 (新字新仮名) / 横光利一(著)
大手町で電車を降り、停留場前のバラック仮建築の内務省の門衛に訊き、砂利を踏んで這入はひつて、玄関で竹草履にきかへてゐると
途上 (新字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
伊「悔みをいわれちゃ、穴へでも這入へえりてえくれえでげすが、それにしてもお前さんこそ何うして其様そんなお姿におなんなすったんですえ」
ドレ其方そっちの床の間に在る其煙草入と紙入を取ッて寄越せ(妾)なに貴方賊など這入はいりますものか念の為めに見てあげましょう
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
れか這入はいって来る、電報がかかる、訪問客が来る、折角せっかく考えていたことを中途で妨げられて、またヤリ直すことが幾度いくどあるか知れぬ。
人格を認知せざる国民 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
伴「だがのう、此奴こいつがあると幽霊が今夜百両の金を持って来ても、おれの所へ這入へいる事が出来めえが、是にゃア困った」
三千代はなににも答へずにへやなか這入はいつた。セルの単衣ひとへしたに襦袢をかさねて、に大きな白い百合ゆりはなを三本ばかりげてゐた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
日比谷から死骸をアノ河岸まで担いで来る筈は無し、又海軍原でも無い、と云う者は海軍原へは矢鱈やたら這入はいられもせず
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
百「忰が行ってる菓子屋へ這入はえったなア、こりゃア何うもおっかなかったって、もう少しの事で殺される所だってえ」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
見たら富右衞門殿へ平兵衞と云手紙が這入はひつてありすれば穀平こくへい殿より富右衞門殿へ送つた手紙が有からは落しぬしは富右衞門殿ならん其邊そこら
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
掛内に這入はひりふしみ居し折柄をりから燒場の外面おもての方に大喧嘩おほげんくわが始りし樣子故何事かと存じそつと出てうかゞひしにくらき夜なれば一かうわからず暫時しばらく樣子を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
致せと云ながら直樣すぐさま自宅に立歸りお花が部屋に這入はひればお花はハツト仰天ぎやうてんして友次郎を夜着よぎの中に手早くかくそばに有し友次郎が脇差わきざし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
たゞ一刻ばかり前、這入ハヒりの戸を揺つた物音があつた。一度 二度 三度。更に数度。音は次第に激しくなつて行つた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
〆切町内々々ちやうない/\自身番屋じしんばんやにはとびの者共火事裝束しやうぞくにてつめ家主抔いへぬしなどかはり/″\相詰たり數寄屋橋御見附みつけ這入はいれば常よりも人數夥多おびたゞしく天一坊の供のこら繰込くりこむを待て御門を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「オヤ何人どなたかと思ッたらお珍らしいこと、此間こないだはさっぱりお見限りですネ。マアお這入はいんなさいナ、それとも老婆ばばアばかりじゃアおいやかネ、オホホホホホ」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
餘所よそに見るとは何云心の人なるぞ殊には自分の身勝手みがつてのみ云散いひちらすは鬼かじやか思へば/\なさけなやと愚痴の出るも道理なり偖裏口より入んと思ふにあかり萬燈まんどうの如く大勢なる他人の居る中へかく窶然みすぼらしき姿にて這入はひらん事此家の手前も有ば如何いかゞせんと少間しばしたゝずみ居たりしにかたへに寢て居し一疋の犬あやしく思ひてや齒を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
開て忠兵衞が若旦那樣相變あひかはらず今日も御本ごほんで御座りますかと進み這入はひるに此方は見返へりオヽたれかと思へば管伴ばんたう忠兵衞昨今さくこん水揚みづあげ荷物にもつありて店は大層たいそういそがしいと聞しに今頃何用にて
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
カダルマゴにもよめにも皆死なれデ、村役場ガラコメコだのジエンコだのもらて、ムマヤよりもマダきたね小舍コヤコ這入ハエテセ、乞食ホエドして暮らすマナグデ來るデバ。
地方主義篇:(散文詩) (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
こひしに内よりは大音にて何者なにものなるや内へ這入はいるべしといふ吉兵衞大いによろこび内へ入りて申やう私し儀は肥後國ひごのくに熊本の者なるが今日の大雪おほゆきみち踏迷ふみまよ難澁なんじふいたす者なり何卒なにとぞなさけにて一宿しゆくぱん御惠おんめぐみ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
穏坊をんばう畜生ちくしやう此方こつち這入はいつやアがるときかねえぞ、無闇むやみ這入へいりやアがるとオンボウいて押付おつつけるぞ。と悪体あくたいをつきながら穏坊をんばうそでした掻潜かいくゞつてスーツと駈出かけだしてきました。
黄金餅 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
冗談じょうだんじゃねえ。何が這入へってると思う。種油たねあぶらだよ、しずくぐらいでけえてたまるもんか」
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「いいえ。きっと這入アタってよ。それにその芝居キリフダネタというのが世界に類例のない事実曝露の探偵恐怖劇なんですから……」
二重心臓 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
シヅイヘ這入ハヒリせばめて 物うゝる畑のめぐりの ほゝづきの色※
橘曙覧評伝 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)