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萬燈
夫れといふと
奴の
中間がばらばらと
飛出しやあがつて、どうだらう
小さな
者の
萬燈を
打こわしちまつて、
胴揚にしやがつて、
見やがれ
横町のざまをと一
人がいふと
また、
大通りの
絹張の
繪行燈、
横町々々の
紅い
軒提灯も、
祭禮の
夜は
暗の
方が
相應しい。
月の
紅提灯は
納涼に
成る。それから、
空の
冴えた
萬燈は、
霜のお
會式を
思はせる。
提灯に蝋燭の火が映る頃から、二人とも
足袋跣足にまで成つて、
萬燈を振つて騷ぎ𢌞りました。