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萬端
子守がまた
澤山寄つて
居た。
其中に
年嵩な、
上品なのがお
守をして
六つばかりの
女の
兒が
着附萬端姫樣といはれる
格で
一人居た。
立伊賀亮事
俄に
癪氣差起り明日の所
全快覺束なく候間
萬端宜敷御頼み申也と云
送り
部屋へ
引籠り居たりける
扨其夜も
明辰の
上刻と成ば天一坊には八山を
幸ひ
妻の
兄は
本國で
相當の
軍人であれば、
其人の
手許に
送つて、
教育萬端の
世話を
頼まうと、
餘程以前から
考へて
居つたのですが、どうも
然る
可き
機會を
得なかつた。