“以前”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
もと32.5%
いぜん23.0%
まえ21.0%
まへ6.3%
むかし4.4%
まえかた2.4%
さき2.0%
せん2.0%
これまで1.2%
まえまえ1.2%
(他:10)4.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“以前”を含む作品のジャンル比率
歴史 > 伝記 > 日本41.7%
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸25.8%
文学 > ロシア・ソヴィエト文学 > 小説 物語14.5%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
その夜は別に苦しみという事はないけれどもやはり足も手も麻痺まひしてしまって感覚のない事は以前もとの通りであります。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
福沢さんが、ほかの人とそんなことを話合っているのを聴き残して、わたしはまた以前もとの見物席の方へかえって来た。
マダム貞奴 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
ひとしく自然しぜんたいしても以前いぜんこゝろにはまつたおもむきへてたのである。
画の悲み (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
まだ我樂多文庫がらくたぶんこ發刊はつかんらない以前いぜんおもふ……大學だいがくかよはるゝのに
湯どうふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
私は、以前まえから箏曲では「那須野なすの」が、すこしの手も入れないで、あのまま踊になるということをいつも言っていた。
朱絃舎浜子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
そうしてその途中か、又は、その前かわからないが、一個月ぐらい以前まえに、頭をハイカラの学生風に刈っていた事があるらしい。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「お染は覺悟の以前まへ剃刀かみそり、おゝ」なゞと始めると、歸りかゝつたちかまはりの村々の男女までが引き返して來て
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
たしか、以前まへにも二三囘、彼は斯うした事から「める」と騷ぎ出し、職員全部にそれをふれて𢌞つたが、結局辭めなかつた。
かめれおん日記 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
淵瀬の以前むかし知らぬ人も気の毒がり、水臭からぬ隣の細君かみさま、お秋が提ぐる手桶の、重さうなるを、助けて運びくるる事もあり。
野路の菊 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
斯う苦々しそうに云い放し、彼の運命を気遣うのであった。幼馴染の筒井松太郎は、以前むかしに変らぬ友情を以って絶えず彼の許を訪れたが、是も時々小首を傾げ、
高島異誌 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「へえ。知ってますよ。知ってまさあね。あっしゃあね、以前まえかたよく、三組町の御小人長屋へ行きやしたから——」
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
以前まえかた訪ねて来た時と、何んの変わったこともない。窩人達の住居すまいには人気なく、宗介天狗の社殿やしろには裸体の木像が立っていた。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
これより以前さき得三が人形室を走り出でて声する者を追いける時、室の外より得三と入違いりちがいに、鳥のごとくに飛び込む者あり。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
わが用ゐし言葉は、ネムブロットのやからがかの成し終へ難きわざを試みしその時よりも久しき以前さきに悉く絶えにき 一二四—一二六
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
あっしのかかあなんぞはモウ以前せんに水天宮で轆轤首ろくろっくびの見世物を見てけえって来ると、その晩、夜通しうなされやがったもんで……ほかじゃあ御座んせん。
人間腸詰 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
前髪まえを剃上げて見せたということだから、以前せんの頭はあんまり縁起のい頭じゃアございません、首実検のための頭だと云います、それから追々剃りまして糸鬢奴いとびんやっこが出来ましたが
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
以前これまでの拙者なりゃ、その方より紙帳へ近附いたからには憂き目を見たは自業自得と、突っ放すなれど、現在いまの拙者の心境こころではそれは出来ぬ。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
願くはまた以前これまでの様に、深夜宿直室へ礫の雨を注ぐ様な乱暴はしてくれねばよいが。
雲は天才である (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「それも普通の人達ではないよ、私達一同みんな以前まえまえから手に入れようと望んでいた、唐寺の謎を解き明かした、研究材料を持っている、そういう好都合の人達なのだよ」尚も熱心に見入ったが
南蛮秘話森右近丸 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
紋十郎にこそ憎悪にくしみはあれ妹のお吉に対してはそういう冷やかな態度や言葉は彼として出せない筈でもありまた出しともない仲でもあったが、裏切りの事情を知ってからは彼はどうしてもお吉に対して以前まえまえ通り優しい言葉や温かい態度を示すことが出来ず
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
間もなく水狐族の部落へ来たが、以前このまえ来た時と変わりなく家々は森然しんと寝静まり、犬の声さえ聞こえない。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
以前このまえもあそこの下女で井戸へ飛んだ者がある
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
『マア、以前このまへうちいらしつた癖に、…………薄情な人ね、此方は。』
菊池君 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
『マア以前このまへも家へいらしつた癖に、……薄情な人ね、このかたは。』
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「もう少し以前さっき
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
中にも藍丸王の十人の組は、以前さっきの樫の森から東側へかけて、夕方まで探していたが、最早もはや日が暮れかかってもそれらしい影は愚か、小雀ことり一羽眼に這入らぬから、皆落胆がっかりして疲れ切ってしまって、約束の通り最前さっきの樫の樹の森へ帰ろうとした。
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
○「老けているね……五年以前あと、じゃアだアさかりな時でごぜえやすな」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
○「いえ、そら久しい以前あと絵に出た芳年よしとしいたんで、鰐鮫わにざめを竹槍で突殺つッころしている、鼻が柘榴鼻ざくろッぱなで口が鰐口で、眼が金壺眼かなつぼまなこで、えへゝゝ御免ねえ」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
されど源叔父げんおじが家一軒ただこの磯に立ちしその以前かみの寂しさを想いたまえ。
源おじ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
以前まへかた訳のあつた女の名前も時々ちよい/\忘れる事があるやうに、名高い仏様のお名前もどうかすると想ひ出せない事があるものだ。
今年ことしはえゝ鹽梅あんべえりだから大丈夫だえぢよぶだたあおもつてんのよ、どうえもんだか以前めえかた陸稻をかぼつちとはあ
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
さけもはあ以前めえかたちがつて一ぺえいくらつちんだからぜねくんのむやうで
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)