“これまで”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:コレマデ
語句割合
従来40.0%
是迄40.0%
以前5.5%
之迄3.6%
從來1.8%
此迄1.8%
従前1.8%
既往1.8%
爾来1.8%
過去1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
停車場ステーションもいつの間にか改築される、山の手線の複線工事も大略あらまし出来上って、一月の十五日から客車の運転は従来これまでの三倍数になった。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
さうして此後このご大凡おほよそこんな状勢じやうせいすゝむからしてしたがつすくなくも是迄これまでいやうへえて國債こくさい總額そうがくふやさずにまし次第しだいである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
『登記所の山内君からだ。以前これまで貴女から「恋愛詩評釈」といふほんを借りたことがあるさうだ。それをまた読みたいから俺に借りて来て呉れと言ふンですがね。』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
之迄これまででさえ、父と父との感情に、暗いかげのあることは、恋する二人の心を、どんなにいたましめたか分らない。それだのに、今日はその暗い翳が、明らさまに火を放って、爆発をきたしたらしいのである。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
勘次かんじはおしなつただけはおつぎを使つかつてどうにか從來これまでつくつた土地とち始末しまつをつけようとおもつた。ことすぐうしろなので什麽どんなにしても手放てばなすまいとした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
勘次かんじ卯平うへいまへてはたゞくびうなだれた。卯平うへい凝然ぢつよこいて勘次かんじをちらりともなかつた。かれ從來これまでとは容子ようす幾分いくぶんちがつてた。かれくせしたらしてたが
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
最も懇篤こんとくに取扱いくれたるはうれし。ここにて弁当をしょくす。茶を饗せられたり。此迄これまでは人家無く、附近にも更に人家無しと。河畔に土人小屋あり。此れまするなりと。
関牧塲創業記事 (新字新仮名) / 関寛(著)
然るに我等夫婦は此迄これまで医業を取るのみにて、農牧業に経験無きを以て、児輩及び知己親族より其不可能を以て思いむべきを懇切に諭されたるも、然れども我等夫婦は確乎かっこと决心する所あり
関牧塲創業記事 (新字新仮名) / 関寛(著)
殻威張の群に入るべからず従前これまでかつて人に語らず、また語る必要もないからだまって居て、内の妻子も本当に知りますまいが、私の本心において何としても仕官が出来られないその真面目しんめんぼくを丸出しに申せば
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
私はかうして前非を後悔して、貴方の前で潔く命を捨てるのも、その御詑おわびが為たいばかりなのですから、貫一さん、既往これまでの事は水に流して、もう好い加減に堪忍して下さいまし。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
然し、貫一さん、う考へて御覧、まあ、私たちの事をどう思うてゐらるるか知らんが、お前さんの爾来これまで為方しかた、又今日のこの始末は、ちと妥当おだやかならんではあるまいか。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
身体は自家にいながら、魂魄こころは宙に迷うていた。お宮を遊びに来さす為には家を変りたいと思ったが、お前のこと、過去これまでのことを思えば、無惨むざと、此処を余処わきへ行く事も出来ない。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)