“御詑”の読み方と例文
読み方割合
おわび100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それ、こゝに居なさるのが瀬川さんの子息むすこさんだ。御詑おわびをしな。御詑をしな。われ(汝)のやうな畜生だつて、万更霊魂たましひの無えものでも有るめえ。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
私はかうして前非を後悔して、貴方の前で潔く命を捨てるのも、その御詑おわびが為たいばかりなのですから、貫一さん、既往これまでの事は水に流して、もう好い加減に堪忍して下さいまし。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
今になつて見ると、あゝ、あの細君に合せる顔が無い。「奥様おくさん、其様に御心配なく、猪子君は確かに御預りしましたから」なんて——まあ我輩は奈何どうして御詑おわびをしていゝか解らん。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)