“御前”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ごぜん52.3%
おんまえ9.7%
おまえ8.7%
みまえ5.1%
おまへ4.6%
おまい3.1%
ごぜ3.1%
おんまへ3.1%
みまへ3.1%
おめえ2.1%
ゴゼ2.1%
おめあ1.0%
まへ1.0%
みさき0.5%
オマヘ0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
可笑をかしなお話をいたしましたが、策伝さくでんの話より、一そう御意ぎよいかなひ、其後そののち数度たび/\御前ごぜんされて新左衛門しんざゑもんが、種々しゆ/″\滑稽雑談こつけいざつだんえんじたといふ。
落語の濫觴 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
言語や名称は時代によって意味が違って来る。「おまえ」という言葉は昔は至尊の御前おんまえに称するもので、先方に対する最敬語であった。
南満鉄道会社なんまんてつどうかいしゃっていったい何をするんだいと真面目まじめに聞いたら、満鉄まんてつの総裁も少しあきれた顔をして、御前おまえもよっぽど馬鹿だなあと云った。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
けれどもまた、そんなにしてたすけてあげるよりはこのままかみ御前みまえにみんなで行く方が、ほんとうにこの方たちの幸福こうふくだとも思いました。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
どうも、そうさんもあんまり近頃ちかごろ御出おいででないし、わたし御無沙汰ごぶさたばかりしてゐるのでね、つい御前おまへこと御話おはなしをするわけにもかなかつたんだよ
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「御米、御前おまい子供ができたんじゃないか」と笑いながら云った。御米は返事もせずに俯向うつむいてしきりに夫の背広せびろほこりを払った。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それで諸君が東京のうし御前ごぜってごらんなさると立派な花崗石かこうせきで伊藤博文さんが書いた「天下之糸平」という碑が建っております。
後世への最大遺物 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
「毘沙門さまの御前おんまへ黒雲くろくもさがつた(モウ)」 (衆人おほぜい)「なんだとてさがつた(モウ)」(山男)「よねがふるとてさがつた(モウ)」とさゝらをすりならす。
天使等みつかひたちオザンナを歌ひつゝ己が心を御前みまへにさゝげまつるなれば、人またその心をかくのごとくにさゝげんことを 一〇—一二
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
御前おめえはどこだ。こんな所へ全体何しに来た。身体からだつきは、すらりとしているようだが。今まで働いた事はねえんだろう。どうして来た」
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
狂言小唄に、「遥かの沖にも石のあるもの夷の御前ゴゼの腰かけの石——夷様の腰掛けの石が沖にあるとの義——」とある。
男『フンフン、御前おめあハンモエツタケスカ。フン、ニソダチナハン。アレガラナハン、サ來ルヅギモ面白オモシエガタンチェ。ホリヤ/\、大變テイヘンダタァンステァ。』
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
きよ御前まへいそいでとほりへつて、氷嚢こほりぶくろつて醫者いしやんでい。まだはやいからきてるだらう」
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
かれ大國主の神、出雲の御大みほ御前みさきにいます時に、波の穗より、天の羅摩かがみの船に乘りて、ひむしの皮を内剥うつはぎに剥ぎて衣服みけしにして、り來る神あり。
或は、由来記を信じれば、月神が穀物の神とせられてゐる例は、各国に例のあること故、御月オツキ御前オマヘに宛てゝ考へることが出来さうである。
琉球の宗教 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)