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御前
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おまへ
ふりがな文庫
“
御前
(
おまへ
)” の例文
どうも、
宗
(
そう
)
さんも
餘
(
あん
)
まり
近頃
(
ちかごろ
)
は
御出
(
おいで
)
でないし、
私
(
わたし
)
も
御無沙汰
(
ごぶさた
)
許
(
ばかり
)
してゐるのでね、つい
御前
(
おまへ
)
の
事
(
こと
)
は
御話
(
おはなし
)
をする
譯
(
わけ
)
にも
行
(
い
)
かなかつたんだよ
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
呑
(
のみ
)
足を投出し居るに九郎兵衞是を見て嗚呼
御前
(
おまへ
)
は
羨
(
うらや
)
ましい
私
(
わし
)
は今此
湖水
(
こすゐ
)
に身を投やうか此帶で首を
縊
(
くゝ
)
らうかと思ひ居たりと云ふを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
いや
阿關
(
おせき
)
こう
言
(
い
)
ふと
父
(
ちゝ
)
が
無慈悲
(
むじひ
)
で
汲取
(
くみと
)
つて
呉
(
く
)
れぬのと
思
(
おも
)
ふか
知
(
し
)
らぬが
決
(
けつ
)
して
御前
(
おまへ
)
を
叱
(
し
)
かるではない、
身分
(
みぶん
)
が
釣合
(
つりあ
)
はねば
思
(
おも
)
ふ
事
(
こと
)
も
自然
(
しぜん
)
違
(
ちが
)
ふて
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
御身
(
おんみ
)
は
過去
(
くわこ
)
遠々
(
とほ/″\
)
より女の身であつたが、この
男
(
をとこ
)
(入道)が
娑婆
(
しやば
)
での最後で、
御前
(
おまへ
)
には
善智識
(
ぜんちしき
)
だから、思ひだす度ごとに法華經の
題目
(
だいもく
)
をとなへまゐらせよ。と、二首の歌も書かれてある。
尼たちへの消息:――よく生きよとの――
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「
夫
(
それ
)
で
遊
(
あそ
)
んでゐるのは勿体ない。あの何とか云つたね、そら
御前
(
おまへ
)
の所へ
善
(
よ
)
く話しに
来
(
き
)
た男があるだらう。
己
(
おれ
)
も一二度逢つたことがある」
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
默
(
だま
)
つて
居
(
ゐ
)
ては
際限
(
さいげん
)
もなく
募
(
つの
)
つて
夫
(
そ
)
れは
夫
(
そ
)
れは
癖
(
くせ
)
に
成
(
な
)
つて
仕舞
(
しま
)
ひます、
第
(
だい
)
一は
婢女
(
をんな
)
どもの
手前
(
てまへ
)
奧樣
(
おくさま
)
の
威光
(
ゐくわう
)
が
削
(
そ
)
げて、
末
(
すゑ
)
には
御前
(
おまへ
)
の
言
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
聞
(
き
)
く
者
(
もの
)
もなく
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
なし實に江戸といふ處は人氣が惡いと云ければ長兵衞は是を聞て大いに
笑
(
わら
)
ひ
夫
(
それ
)
は人氣の
惡
(
わる
)
いのではなし
御前
(
おまへ
)
が
田圃中
(
たんぼなか
)
を
呼
(
よ
)
び
歩行
(
あるき
)
しゆゑ子供のことなれば狐に
誑
(
ばか
)
されたと思ひ石を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「
御米
(
およね
)
、
御前
(
おまへ
)
は
神經
(
しんけい
)
が
過敏
(
くわびん
)
になつて、
近頃
(
ちかごろ
)
何
(
ど
)
うかしてゐるよ。もう
少
(
すこ
)
し
頭
(
あたま
)
を
休
(
やす
)
めて
能
(
よ
)
く
寐
(
ね
)
る
工夫
(
くふう
)
でもしなくつちや
不可
(
いけ
)
ない」と
云
(
い
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
又
(
また
)
しても
其樣
(
そのやう
)
なこと
御前
(
おまへ
)
さま
此々
(
これ/\
)
とお
傳
(
つた
)
へ申さば
好
(
よ
)
きお
返事
(
へんじ
)
は
知
(
し
)
れた
事
(
こと
)
なり
最早
(
もう
)
くよ/\とは
思
(
おぼ
)
しめすな
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
拵
(
こし
)
らへるには毎日々々時を
違
(
たが
)
へず其所を
回
(
まは
)
れば今何やが來たから
最
(
もう
)
何時成んと家々にて其商人を
當
(
あて
)
にするやうになり
然
(
さ
)
すれば商ひも
必
(
かな
)
らず
殖
(
ふえ
)
るものゆゑ
御前
(
おまへ
)
も町内は申に及ばず
裏々
(
うら/\
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「
御前
(
おまへ
)
だつて
満更
(
まんざら
)
道楽をした事のない人間でもあるまい。こんな不始末を
仕出
(
しで
)
かす位なら、今迄折角
金
(
かね
)
を使つた甲斐がないぢやないか」
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
此方
(
こちら
)
から
強請
(
ねだつ
)
た
譯
(
わけ
)
ではなけれど
支度
(
したく
)
まで
先方
(
さき
)
で
調
(
とゝの
)
へて
謂
(
い
)
はゞ
御前
(
おまへ
)
は
戀女房
(
こひによぼう
)
、
私
(
わたし
)
や
父樣
(
とゝさん
)
が
遠慮
(
ゑんりよ
)
して
左
(
さ
)
のみは
出入
(
でい
)
りをせぬといふも
勇
(
いさむ
)
さんの
身分
(
みぶん
)
を
恐
(
おそ
)
れてゞは
無
(
な
)
い
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
御前
(
おまへ
)
も
一人
(
ひとり
)
ぢやなし、
兄
(
にい
)
さんもある
事
(
こと
)
だから
能
(
よ
)
く
相談
(
さうだん
)
をして
見
(
み
)
たら
好
(
い
)
いだらう。
其代
(
そのかは
)
り
私
(
わたし
)
も
宗
(
そう
)
さんに
逢
(
あ
)
つて、
篤
(
とつ
)
くり
譯
(
わけ
)
を
話
(
はな
)
しませうから。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
少
(
すこ
)
し
御新造
(
ごしんぞ
)
は
機嫌
(
きげん
)
かいなれど、
目色
(
めいろ
)
顏色
(
かほいろ
)
を
呑
(
の
)
みこんで
仕舞
(
しま
)
へば
大
(
たい
)
した
事
(
こと
)
もなく、
結句
(
けつく
)
おだてに
乘
(
の
)
る
質
(
たち
)
なれば、
御前
(
おまへ
)
の
出樣
(
でやう
)
一つで
半襟
(
はんゑり
)
半
(
はん
)
がけ
前垂
(
まへだれ
)
の
紐
(
ひも
)
にも
事
(
こと
)
は
欠
(
か
)
くまじ、
御身代
(
ごしんだい
)
は
町内
(
てうない
)
第
(
だい
)
一にて
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
梅子は令嬢の教育地が京都だから、あゝなんぢやないかと推察した。
兄
(
あに
)
は東京だつて、
御前
(
おまへ
)
見
(
み
)
た様なの
許
(
ばかり
)
はゐないと云つた。此時
父
(
ちゝ
)
は
厳正
(
げんせい
)
な
顔
(
かほ
)
をして
灰吹
(
はいふき
)
を
叩
(
たゝ
)
いた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
少し
御新造
(
ごしんぞ
)
は機嫌かいなれど、目色
顔色
(
かほいろ
)
を
呑
(
の
)
みこんでしまへば大した事もなく、結句おだてに乗る
質
(
たち
)
なれば、
御前
(
おまへ
)
の出様一つで
半襟
(
はんゑり
)
半がけ
前垂
(
まへだれ
)
の
紐
(
ひも
)
にも事は欠くまじ、御身代は町内第一にて
大つごもり
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
細君が、
私
(
わたくし
)
が
家
(
うち
)
に居つても、
貴方
(
あなた
)
が
出
(
で
)
て御仕舞になれば、
後
(
あと
)
が困るぢやありませんかと云ふと、
何
(
なに
)
構はないさ、
御前
(
おまへ
)
は勝手に
入夫
(
にうふ
)
でもしたら
宜
(
よ
)
からうと
答
(
こた
)
へたんだつて
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ず
沸
(
わき
)
かへる
涙
(
なみだ
)
も
人事
(
ひとごと
)
にして
御不憫
(
おいとし
)
や
孃
(
ぢやう
)
さま
此程
(
このほど
)
よりのお
煩
(
わづら
)
ひのもとはと
云
(
い
)
はゞ
何
(
なに
)
ゆゑならず
柔和
(
おとな
)
しき御
生質
(
たち
)
とて
口
(
くち
)
へとては
出
(
だ
)
し
給
(
たま
)
はぬほど
猶
(
なほ
)
さらに
御
(
お
)
いとほしお
心
(
こゝろ
)
は
中々
(
なか/\
)
我
(
わ
)
が
云
(
い
)
ふやうな
物
(
もの
)
にはあらず
此
(
この
)
お
文
(
ふみ
)
御覽
(
ごらん
)
ぜばお
分
(
わか
)
りになるべけれど
御前
(
おまへ
)
さま
無情
(
つれなき
)
お
返事
(
へんじ
)
もし
遊
(
あそ
)
ばされなば
彼
(
あ
)
のまゝに
居給
(
ゐたま
)
ふまじき
御决心
(
ごけつしん
)
ぞと
見
(
み
)
る
目
(
め
)
は
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
“御前”の意味
《名詞》
前・面前の丁寧語。
貴人・住職などの尊敬語。
(出典:Wiktionary)
御
常用漢字
中学
部首:⼻
12画
前
常用漢字
小2
部首:⼑
9画
“御前”で始まる語句
御前様
御前崎
御前体
御前立
御前橘
御前方
御前山
御前態
御前相伴衆
御前達