“御前橘”の読み方と例文
読み方割合
ごぜんたちばな100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
笹が少なくなって石楠しゃくなげ御前橘ごぜんたちばな岩鏡いわかがみ苔桃こけももなどが下草に交って現れる。左に近く笈吊おいつる岩の絶壁を仰ぐようになると直ぐ峠の頂上である。十日程前には紅葉が盛りであったという。
秋の鬼怒沼 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
倒れて、朽ちて、苔をかぶり、御前橘ごぜんたちばななどの花を咲かせて、豪華な長椅子を作っているものもある。腰をおろそうとして、ためらう登山者もあろう、——これは森の精の用いる、調度ではないかと。
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)
頂上は小沢岳より狭くかつ高さも十六、七米低いが、二等三角点を取り巻いて岩塊の狼藉たる上に、偃松や石楠が枝を延し、四、五寸の小笹に交って苔桃こけもも御前橘ごぜんたちばな、イワハゼ、ウイキョウ、深山鍬形みやまくわがた
利根川水源地の山々 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)