“沸”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
38.0%
たぎ34.1%
わか10.4%
9.2%
3.0%
にえ1.2%
にや1.2%
わき0.9%
わく0.3%
なみだ0.3%
にえた0.3%
ふつ0.3%
わい0.3%
わかし0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
平生へいぜいからあざけるものはあざけるが、心優こゝろやさしい衣絵きぬゑさんは、それでもどくがつて、存分ぞんぶんかしてむやうにとつた厚情こゝろざしなのであつた。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そして、傍らの釜にたぎらせておいた熱湯を充分にかけると、すっぽんのからだについた泥臭がきれいに洗い去られてしまうのである。
すっぽん (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
おつぎは晝餐ひる支度したくちやわかした。三にん食事しよくじあとくちらしながら戸口とぐちてそれからくりかげしばらうづくまつたまゝいこうてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「だつてあれが浴びるやうに啼き立てると、たゞでも暑い日光が油でじり/\え立つやうな気がしていかにも暑くるしいからね。」
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
僕は井筒屋の風呂ふろもらっていたが、雨が降ったり、あまり涼しかったりする日はたないので、自然近処の銭湯に行くことになった。
耽溺 (新字新仮名) / 岩野泡鳴(著)
ピグミーは、そこで刀の方に向き直って腕組みをしながら、しきりに地肌や、にえの具合を、ながめ入りましたが
大菩薩峠:27 鈴慕の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
手を出しかねたる二人を睨廻ねめまはして、蒲田はなかなか下に貫一のもだゆるにも劣らず、ひとごうにやして、効無かひな地鞴ぢただらを踏みてぞゐたる。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
團子屋だんごや頓馬とんまたゞおかぬとうしほのやうにわきかへるさわぎ、筆屋ふでやのき掛提燈かけぢようちんもなくたゝきおとされて、つりらんぷあぶなし店先みせさき喧嘩けんくわなりませぬと女房にようぼうわめきもきかばこそ、人數にんず大凡おほよそ十四五にん
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
音羽町へやりたりしが此時すでに家主は殺され父子おやこ行衞ゆくゑしれぬとて長家はかなへわくが如く混雜こんざつなせば詮方せんかたなく立返へりつゝ云々と三個みたりに告て諸共もろともにお光の安否あんぴ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
顧うにその弟子が、彼が骨冷なる後に至るまで、なおなみだを垂れて松陰先生を説くもの、にその故なしとんや。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
七十三 洪水となって天から落ちる泥々の雨が、熱湯の如くににえたっている。これを浴びれば一時に煮殺しゃさつされる。
暗黒星 (新字新仮名) / シモン・ニューコム(著)
きょうたりふつたり、煙波糢糊もこ、水光天に接するばかり、何も無くして水ばかりであった。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
座敷へ通し御湯おゆわいをりますと云ゆゑすぐさま後藤は彼男ととも風呂ふろいりながら酒肴をあつらへおきやがて風呂も仕舞て出來りしに女子どもは酒肴を持出もちいでければ兩人は打寛うちくつろぎて酒宴しゆえんに時刻をうつしけり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
(雷と夕立はをんさいのからくり也)雲は地中ちちゆう温気をんきよりしやうずる物ゆゑに其おこかたち湯気ゆげのごとし、水をわかし湯気ゆげたつと同じ事也。
いて小鳥焼けたり山は晴
松本たかし句集 (新字旧仮名) / 松本たかし(著)