“わく”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ワク
語句割合
71.6%
12.8%
4.6%
1.8%
1.8%
1.8%
0.9%
0.9%
和煦0.9%
外框0.9%
発生0.9%
𧤽0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その三は太く黒きわくを施したる大なる書院の窓ありてその障子しょうじは広く明け放され桜花は模様の如く薄墨うすずみ地色じいろの上に白く浮立ちたり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
そちらの画室の方には今日も縫取のわくが据ゑられてゐて、麻の布へ、黒と茶色と赤のスコッチの糸で蔓草のやうな模様が縫ひかけてある。
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
此翁和哥をよくかつ好古かうこへきありて卓達たくたつの人なり、雅談がだんわくが如く、おもはずつゑをとゞめし事四五日なりし。
あく」と「わく」とは声も近いようで
したがい来し式の女官にょかんは奥の入口のしきいの上まで出で、右手めてにたたみたる扇を持ちたるままに直立したる、その姿いといと気高く、鴨居かもい柱をわくにしたる一面の画図に似たりけり。
文づかい (新字新仮名) / 森鴎外(著)
音羽町へやりたりしが此時すでに家主は殺され父子おやこ行衞ゆくゑしれぬとて長家はかなへわくが如く混雜こんざつなせば詮方せんかたなく立返へりつゝ云々と三個みたりに告て諸共もろともにお光の安否あんぴ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
差出し郡奉行其外掛役々かゝりやく/\へは出立の儀申渡す等其混雜こんざつかなへわくが如くなり茲に又九助は引廻しの馬の上にくゝられ既に相良さがらの城下はづれまで引れ來り今刑場けいぢやうのぞまんとする時江戸の方より來りし早打はやうち侍士さむらひ引止ひきとめられ檢使の役人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
急ぎ綱曳き帆檣はんしようを倒してわくに支へしめ
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
和煦わくの作用ではない粛殺しゅくさつの運行である。げんたる天命に制せられて、無条件に生をけたる罪業ざいごうつぐなわんがために働らくのである。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
就中なかんずく椿岳が常住起居した四畳半の壁に嵌込はめこんだ化粧窓けしょうまど蛙股かえるまたの古材を両断して合掌に組合わしたのを外框わくとした火燈型で
なかば習慣的に瓢箪ひょうたん池に突出した藤棚の下に行き、何処かでメタン瓦斯ガス発生わくような、陰惨な音を聴きながらぼんやりとして、あくどい色をした各常設館の広告旗が、五彩の暴風雨あらしのように
魔像 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
白糸を𧤽わくに手くると。ひまもなくいそしむ人の。ふけ行けばすのこが上に。しづ衾引きかゝぶりて。さぬらくの安しとかもよ。うけくは知らに。
長塚節歌集:1 上 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)