“粛殺”の読み方と例文
読み方割合
しゅくさつ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
和煦わくの作用ではない粛殺しゅくさつの運行である。げんたる天命に制せられて、無条件に生をけたる罪業ざいごうつぐなわんがために働らくのである。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それが秋風粛殺しゅくさつの候であるから、一層その心持を強うする、というのである。詰り「秋風の」というのは「秋風の吹く時に」という位の軽い意味である。
俳句はかく解しかく味う (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
突然向うの曲り角から愉快な子供の笑い声が起って周囲の粛殺しゅくさつを破った。あたかも老翁の過去の歓喜の声が、ここに一時反響しているかのごとく。(明治三十四年十二月)
(新字新仮名) / 寺田寅彦(著)