“悪”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
わる31.7%
にく28.3%
18.3%
あし5.9%
5.3%
あく4.2%
わり1.9%
1.8%
わろ0.6%
にくし0.2%
にくみ0.2%
わるい0.2%
ワル0.2%
われ0.1%
いずく0.1%
いた0.1%
いたづら0.1%
いや0.1%
0.1%
きらい0.1%
さが0.1%
つたな0.1%
はり0.1%
アク0.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その物覚ものおぼえのわる子供こどもに、かなだらいにみずれてそれをたせてそとたせることにしました。
教師と子供 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そしてこんどはくずれた塀の前に足をめ足場を調べた上で、二人は一向にわるびれた様子もなく、煉瓦の山を踏みわけて、塀の内に入った。
千早館の迷路 (新字新仮名) / 海野十三(著)
旧幕時代を慕つて明治の文明をにくむ時勢おくれの老人も、若しくは算盤そろばんを携へて、開港場に奔走する商人も、市場、田舎、店舗、学校
明治文学史 (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
楼「それでは小主水の花魁、お前に預けますから、何うか意見をして遣って下さい、わしもこのにくうて折檻までするのではないからね」
殊に就中なかんずく蕪村の如く、文化が彼の芸術と逆流しているところの、ひとつの「しき時代」に生れた者は、特に救いがたく不遇である。
郷愁の詩人 与謝蕪村 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
きにつけ、しきにつけ、影身かげみいて、人知ひとしれず何彼なにかとお世話せわいてくださるのでございます。
何日いくかに来てくれという平岡の端書が着いた時、折あし差支さしつかえが出来たからと云って散歩のついでに断わりに寄ったのである。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
もしまた俳句、漢詩等にも和歌より善きものあり和歌にも俳句、漢詩等よりあしきものありというならば和歌ばかりが一番善きにてもあるまじく候。
歌よみに与ふる書 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
『こちらへてから床几しょうぎこしをかけるのはこれがはじめてじゃが、なかなかるい気持きもちいたさんな……。』
常々心臓がるくて近年は家から一歩も出ない主人である。この寒さに麻痺まひでもおこしてたおれているのではなかろうか——常にはこの不安があった。
(新字新仮名) / 楠田匡介(著)
そのぜんあくたるをわず、さきに神文のやくをやぶれば天下の武芸者ぶげいしゃにそのしんうしなわなければならない。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
つねここおいてし、わざわいを造りはいをおこすも、つねここに於てす、其あくに懲り、以て善にはし
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
作「はア宜うござえやす、立派な先生だからわりい烟草なんぞア呑まねえから、大急ぎでいゝのを買ってなせえ……あんた銭有りますかえ」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「五十五銭だっていいさ。日を並べられるもの。おらなど、天気のわりえどぎ出来ねえがら、そうさな、一日四十銭平均にもなんめえで、きっと。」
土竜 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
「ハア」夫人はいいく相に、「先程もあなたのいらしったことを申したのですけど、今日は失礼させて頂くと申しているのでございます」
一寸法師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
やつと春の返つた或夜、男は姫君と二人になると、「そなたに会ふのも今宵こよひぎりぢや」と、云ひくさうに口を切つた。
六の宮の姫君 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
ごく簡単の理窟を含む歌にて善しと思ふ者あり、些の理窟を含まざる歌にてわろしと思ふ者あるは事実なればなり。
人々に答ふ (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
けれど、下々の嗜める鱧の皮とあっては聞こえいとわろし、この日よりこの肴を『待宵の鱠』と命名せよ。
にらみ鯛 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
にくしみふかゝりしなり
聞書抄:第二盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
真宗崩じて後、其きさきにくしみを受け、ほしいままに永定陵を改めたるによって罪をこうむり、且つ宦官かんがん雷允恭らいいんきょうと交通したるを論ぜられ、崖州に遠謫えんたくせられ、数年にして道州にうつされ、致仕して光州に居りてしゅつした。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
にくみをわれの吹くときは
若菜集 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
ここにおいてか、人をそねみ人をにくみて、たがいに寸分の余地をのこさず、力ある者は力をつくし、智恵ある者は智恵をたくましゅうし、ただ一片の不平心を慰めんがために孜々ししとして、永遠の利害はこれを放却して忘れたるが如くなるにいたる者、すくなからず。
学者安心論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
こういう風ですから、夢見がいいにつけ、わるいにつけ、それを御目が覚めてから気になさることは一通りで無いのでした。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
私は、田舎の子の眼に見つめられる事にはなれっ子になって居たので格別間がわるいとも思わなかった。
農村 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
「ア、アタシ ワルカッタヨー。……ヤ、ヤ、ヤマナンカ、キョウガ、ハ、ハ、ハジメテナンダ……アタシニハ……カミサンモ……コ、コ、小供コドモモアルンダヨー。……ワア! タスケテクレエ……」
「そうですッてね。御家人仲間で鼻ツマミのワルですッて。私がきいているのは悪名ばかり。顔を見たこともないのです。父のおかげで、お母さんは今の不幸に落ちこんだのだそうです。泣きの涙にグチられて、子供心に辛かったわ。私が生れてまもなく父に棄てられ、苦しい暮しをしているうちに目がつぶれてしまったのです」
まア寺男からおさんの子じゃア有るけれども眞達さんまでもわれえ事にそまりまして
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
七兵衞がっては邪魔になるというて、とゝまの七兵衞を薪割で打殺ぶちころし、本堂のいんの下へかこしたところが、われえ事は出来でけぬものじゃなア、心棒が狂いまごうたから
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
この孟子の書の開巻第一には梁恵王りょうけいおうとの問答が収録されているが、その中に「天下いずくにか定まらん」という恵王の問がある。
永久平和の先決問題 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
甘ったるいかるいくすぐる様な悲しみがいたずらの様に心の中にわき上って来る。うすやみの夕方そうっと誰かの名をよんで見たい様な気もする事もある。
と、乙姫が、いたづららしい微笑を含んで言ふ。
虹色の幻想(シナリオ) (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
全く、奥様の為には廻合まわりあわせも好くない年と見えて、何かの前兆しらせのようにいやな夢ばかり御覧なさるのでした。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
さてこの意識の内容を紙へ写す際には好は好、は悪で判然と明暸に意識された事でありますから、勢い悪の方すなわちきらいな事、いやなもの、は避けるようになるか、もしくはこれを叙述するにしても嫌いなように写します。
創作家の態度 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
が、筆のついでに、座中の各自てんでが、すききらい、その季節、花の名、声、人、鳥、虫などを書きしるして、揃った処で、ひとつ……何某なにがし……すきなものは、美人。
第二菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
……あっしは、こんなふうに考えておりました。加代姫は、六平になにか弱い尻をにぎられていて、今まで強請ゆすられるたびに金を出していた。そのへんまでは我慢が出来たが、酌をしに来いとまでつけあがるんじゃ、この先のことを思いやられる。下郎は口のさがなきもの。
つたなくアントニーとクレオパトラの艦隊は敗北し共にのがれ帰つたが途中アントニーはクレオパトラが死んだといふ偽報ぎほうを聞いて自殺する。
毒と迷信 (新字旧仮名) / 小酒井不木(著)
八重「半治はん誠にほめえはりいよう、ほれじゃアまねえよ、ふァたい此家ほゝているに、ほめえがほんなほとをひてや親分ほやぶんまねえよ、小兼ほはねはんにひまになってへえれってえ、ほれじゃア可愛ははひほうだアへえ」
「お師匠ししょうさまがつらつら亀卜きぼく卦面かめんを案じまするに、すなわち、——富岳フガク鳳雛ホウスウマレ、五狂風キョウフウショウジ、喬木キョウボクアクツミイダイテライカル——とござりましたそうです」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)