“悪”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方(ふりがな)割合
わる31.5%
にく28.3%
18.5%
あし5.9%
5.3%
あく4.3%
わり1.8%
1.7%
わろ0.6%
にくし0.2%
(他:16)1.9%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“悪”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸79.0%
社会科学 > 風俗習慣・民俗学・民族学 > 伝説・民話[昔話]76.5%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)24.5%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
「云はれた事は色々あるんですが、秩序立ちつじよだててかへすのは困るですよ。あたまわるいんだから」
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
だから、んな異状を感じても、脳の組織の変化から、精神にわるい影響を与へるものとしては、悲観する余地がなかつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
のみならずそれ等の事件にからまる親戚同志の感情上の問題は東京に生まれた人々以外に通じにくいこだわりを生じ勝ちだった。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
しかしもし一点不正直なところが津田に残っているとすると、これほどまた落しにくい城はけっしてないという事にも帰着した。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
東海道軍はまた東海道軍で、この友軍の態度を好戦的であるとなし、甲州での戦さのことなぞをしざまに言うものも出て来た。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「まア、えい。まア、えい。——子供同士の喧嘩けんかです、先生、どうぞしからず。——さア、吉弥、支度したく、支度」
耽溺 (新字新仮名) / 岩野泡鳴(著)
言甲斐いいがいなき下﨟げろうならわあしくて知恵なく、心奸敷かしましくものいうことさがなし。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
頃しも夏の事也しゆゑ、農業のうげふの人の置忘おきわすれたるならん、さるにてもはらあしきものはひろかくさん
飯「そんな事を云うと孝助がるがります、孝助折角の思召おぼしめし、御免をこうむって此方こちらへ来い」
「うす気味のるい色をして、こわばった顔をしていました。そして私が近寄って行くと、急に、かくれてしまうのでした」
黄色な顔 (新字新仮名) / アーサー・コナン・ドイル(著)
私がよほどあくたれたことでも言ったからであろうが、私としては、悔しくて悔しくて、ずいぶん永いあいだ泣いたように思う。
私の父 (新字新仮名) / 堺利彦(著)
そうすると相手はあざ笑って、お古ならまだいいが、新しいのだ、今でも月に二三度はお手がつくのだとあくたれたのでございます。
女難 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
甚「わりいたって己がしたのじゃアねえ、自然ひとりでに出たのだ新吉咽喉頸のどっくびに筋が出て居るな、此の筋を見や」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ツイ言い損なったのだがお前も気ぜんのわりいとこ、此方こっちも不動さまへお参りに往ったんだから、種々いろ/\不同が有るが
やつと春の返つた或夜、男は姫君と二人になると、「そなたに会ふのも今宵こよひぎりぢや」と、云ひくさうに口を切つた。
六の宮の姫君 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「ハア」夫人はいいく相に、「先程もあなたのいらしったことを申したのですけど、今日は失礼させて頂くと申しているのでございます」
一寸法師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
ごく簡単の理窟を含む歌にて善しと思ふ者あり、些の理窟を含まざる歌にてわろしと思ふ者あるは事実なればなり。
人々に答ふ (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
けれど、下々の嗜める鱧の皮とあっては聞こえいとわろし、この日よりこの肴を『待宵の鱠』と命名せよ。
にらみ鯛 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
にくしみふかゝりしなり
聞書抄:第二盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
真宗崩じて後、其きさきにくしみを受け、ほしいままに永定陵を改めたるによって罪をこうむり、且つ宦官かんがん雷允恭らいいんきょうと交通したるを論ぜられ、崖州に遠謫えんたくせられ、数年にして道州にうつされ、致仕して光州に居りてしゅつした。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
にくみをわれの吹くときは
若菜集 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
ここにおいてか、人をそねみ人をにくみて、たがいに寸分の余地をのこさず、力ある者は力をつくし、智恵ある者は智恵をたくましゅうし、ただ一片の不平心を慰めんがために孜々ししとして、永遠の利害はこれを放却して忘れたるが如くなるにいたる者、すくなからず。
学者安心論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
こういう風ですから、夢見がいいにつけ、わるいにつけ、それを御目が覚めてから気になさることは一通りで無いのでした。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
私は、田舎の子の眼に見つめられる事にはなれっ子になって居たので格別間がわるいとも思わなかった。
農村 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
「ア、アタシ ワルカッタヨー。……ヤ、ヤ、ヤマナンカ、キョウガ、ハ、ハ、ハジメテナンダ……アタシニハ……カミサンモ……コ、コ、小供コドモモアルンダヨー。……ワア! タスケテクレエ……」
「そうですッてね。御家人仲間で鼻ツマミのワルですッて。私がきいているのは悪名ばかり。顔を見たこともないのです。父のおかげで、お母さんは今の不幸に落ちこんだのだそうです。泣きの涙にグチられて、子供心に辛かったわ。私が生れてまもなく父に棄てられ、苦しい暮しをしているうちに目がつぶれてしまったのです」
甘ったるいかるいくすぐる様な悲しみがいたずらの様に心の中にわき上って来る。うすやみの夕方そうっと誰かの名をよんで見たい様な気もする事もある。
と、乙姫が、いたづららしい微笑を含んで言ふ。
虹色の幻想(シナリオ) (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
全く、奥様の為には廻合まわりあわせも好くない年と見えて、何かの前兆しらせのようにいやな夢ばかり御覧なさるのでした。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
さてこの意識の内容を紙へ写す際には好は好、は悪で判然と明暸に意識された事でありますから、勢い悪の方すなわちきらいな事、いやなもの、は避けるようになるか、もしくはこれを叙述するにしても嫌いなように写します。
創作家の態度 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
が、筆のついでに、座中の各自てんでが、すききらい、その季節、花の名、声、人、鳥、虫などを書きしるして、揃った処で、ひとつ……何某なにがし……すきなものは、美人。
第二菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
……あっしは、こんなふうに考えておりました。加代姫は、六平になにか弱い尻をにぎられていて、今まで強請ゆすられるたびに金を出していた。そのへんまでは我慢が出来たが、酌をしに来いとまでつけあがるんじゃ、この先のことを思いやられる。下郎は口のさがなきもの。
つたなくアントニーとクレオパトラの艦隊は敗北し共にのがれ帰つたが途中アントニーはクレオパトラが死んだといふ偽報ぎほうを聞いて自殺する。
毒と迷信 (新字旧仮名) / 小酒井不木(著)
八重「半治はん誠にほめえはりいよう、ほれじゃアまねえよ、ふァたい此家ほゝているに、ほめえがほんなほとをひてや親分ほやぶんまねえよ、小兼ほはねはんにひまになってへえれってえ、ほれじゃア可愛ははひほうだアへえ」
まア寺男からおさんの子じゃア有るけれども眞達さんまでもわれえ事にそまりまして
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
七兵衞がっては邪魔になるというて、とゝまの七兵衞を薪割で打殺ぶちころし、本堂のいんの下へかこしたところが、われえ事は出来でけぬものじゃなア、心棒が狂いまごうたから
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「お師匠ししょうさまがつらつら亀卜きぼく卦面かめんを案じまするに、すなわち、——富岳フガク鳳雛ホウスウマレ、五狂風キョウフウショウジ、喬木キョウボクアクツミイダイテライカル——とござりましたそうです」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)