トップ
>
悪
>
わ
ふりがな文庫
“
悪
(
わ
)” の例文
旧字:
惡
よもやこの人々が余の詩想を
洞見
(
どうけん
)
しはしまいが、たださえ人の注視をわれ一人に集めて往来を
練
(
ね
)
って行くのはきまりが
悪
(
わ
)
るいのに
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
さあそれと聞いてからは、子供心に気味が
悪
(
わ
)
るくって、その晩などは
遂
(
つい
)
に寝られなかった。私の実際に見たのではこんな事がある。
子供の霊
(新字新仮名)
/
岡崎雪声
(著)
俄盲目
(
にはかめくら
)
で
感
(
かん
)
が
悪
(
わ
)
るいけれども、
貰
(
もら
)
つた
手拭
(
てぬぐひ
)
で
傷
(
きず
)
を
二重
(
ふたへ
)
ばかり
巻
(
ま
)
いて、ギユツと
堅
(
かた
)
く
緊
(
し
)
めますと、
薬
(
くすり
)
の
効能
(
かうのう
)
か
疼痛
(
いたみ
)
がバツタリ止まりました。
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
軟
(
やわらか
)
い木の
薪
(
たきぎ
)
で炊いたものより
堅木
(
かたぎ
)
の方が良く出来ます。それに水車で
搗
(
つ
)
いたお米は水分を含んでいて味も
悪
(
わ
)
るし
殖
(
ふ
)
え方も
寡
(
すくの
)
うございます。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
また
他
(
ほか
)
の書生がこんな事に出会ったりなどして、
如何
(
いか
)
にも気味が
悪
(
わ
)
るかったから、
安値
(
やす
)
くってよかったが、とうとう御免
蒙
(
こうむ
)
ったのであった。
怪物屋敷
(新字新仮名)
/
柳川春葉
(著)
▼ もっと見る
恰
(
あだか
)
も
呂
(
ろ
)
の字の形とでも言おうか、その
中央
(
なか
)
の棒が廊下ともつかず座敷ともつかぬ、細長い部屋になっていて、妙に
悪
(
わ
)
るく陰気で暗い
処
(
ところ
)
だった。
女の膝
(新字新仮名)
/
小山内薫
(著)
この度の選挙に既に多数の医師の候補者が現れているのはやや不自然の
嫌
(
きらい
)
はありますが
悪
(
わ
)
るくない現象であると思います。
選挙に対する婦人の希望
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
悪
(
わ
)
るいことをして、帰つて来たばかりのところへ、こんな夜更けによび出されるのを不審に思つた、不安心な様子でした。
ラマ塔の秘密
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
「うす気味の
悪
(
わ
)
るい色をして、
硬
(
こわ
)
ばった顔をしていました。そして私が近寄って行くと、急に、かくれてしまうのでした」
黄色な顔
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
これは
私
(
あたくし
)
の父が、幼いころの気味の
悪
(
わ
)
るかったことという、
談話
(
はなし
)
のおりにききましたことです。場処は
通油町
(
とおりあぶらちょう
)
でした。
人魂火
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
常々心臓が
悪
(
わ
)
るくて近年は家から一歩も出ない主人である。この寒さに
麻痺
(
まひ
)
でもおこしてたおれているのではなかろうか——常にはこの不安があった。
雪
(新字新仮名)
/
楠田匡介
(著)
又
(
また
)
昨十一年には一高旅行部の浜田君の一行が藤原から水長沢を遡って之に登られた。此路は水長沢が
悪
(
わ
)
るい谷で、一日に登り詰めることは不可能である。
利根川水源地の山々
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
彼は東京のH大学の文科にいたころから、演劇サークル員だったが、二年前肺を
悪
(
わ
)
るくして郷里にかえり、それからずッと文化団体支部員で働いていたのだ。
冬枯れ
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
『こちらへ
来
(
き
)
てから
床几
(
しょうぎ
)
に
腰
(
こし
)
をかけるのはこれが
初
(
はじ
)
めてじゃが、なかなか
悪
(
わ
)
るい
気持
(
きもち
)
は
致
(
いた
)
さんな……。』
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
彼はこの頃、持病の不眠症が
嵩
(
こう
)
じた結果、頭が非常に
悪
(
わ
)
るくなっている事を自覚していた。
木魂
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
良ッちゃんが、あんな男の嫁さんになるかと、思うただけで、背中がゾコゾコッとするわ。
蜈蚣
(
むかで
)
と、
蚯蚓
(
みみず
)
と、毛虫とが、一緒に襟元に飛びこんだみたいよ。おう、
気色
(
きしょく
)
が
悪
(
わ
)
る。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
と大江山課長は自分のことが問題にされているんだと
早合点
(
はやがてん
)
して、
極
(
きま
)
り
悪
(
わ
)
る
気
(
げ
)
にいった。
恐怖の口笛
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
彼も初めての事なので、薄気味
悪
(
わ
)
るく、うとうとしていると、
最早
(
もう
)
夜も
大分更
(
ふ
)
けて、例の
木枯
(
こがらし
)
の音が、サラサラ相変らず、
聞
(
きこ
)
える時、突然に
枕許
(
まくらもと
)
の上の
呼鈴
(
べる
)
が、けだだましく
鳴出
(
なりだ
)
したので
死体室
(新字新仮名)
/
岩村透
(著)
始終
家
(
うち
)
を外の
放蕩三昧
(
ほうとうざんまい
)
、あわれな
妻
(
かない
)
を一人残して家事の事などは
更
(
さら
)
に
頓着
(
とんじゃく
)
しない、
偶
(
たま
)
に帰宅すれば、
言語
(
もの
)
のいい
様
(
ざま
)
箸の
上
(
あ
)
げ
下
(
お
)
ろしさては
酌
(
しゃく
)
の仕方が
悪
(
わ
)
るいとか、琴を弾くのが気にくわぬとか
二面の箏
(新字新仮名)
/
鈴木鼓村
(著)
その時ばかりは、そんな気が少しも出ない、何というてよいか、
益々
(
ますます
)
薄気味が
悪
(
わ
)
るいので、
此度
(
こんど
)
は手で強く払って歩き出してみた、が
矢張
(
やっぱり
)
蝶は前になり後になりして始終私の身辺に附いて来る
白い蝶
(新字新仮名)
/
岡田三郎助
(著)
ナポリ、ポンペイ等の記事も同様である。
其
(
それ
)
等の郵便を予自身に郵便局へ
赴
(
おもむ
)
いて
差
(
さし
)
立てなかつたのが過失であつた。
人気
(
にんき
)
の
悪
(
わ
)
るいナポリの宿の
下部
(
ギヤルソン
)
に托した
為
(
た
)
めに故意に
紛失
(
ふんじつ
)
されたのであつた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
「それはそれは、遅くなって
御免
(
ごめん
)
なさい、何しろこんな所へ居なすっちゃ、
身体
(
からだ
)
に
悪
(
わ
)
るいから私が
背負
(
しょ
)
って行って
家
(
うち
)
へ帰りましょう」と
云
(
いい
)
ながら、手に持っていた、
薬瓶
(
くすりびん
)
をその岩の上に置いて
テレパシー
(新字新仮名)
/
水野葉舟
(著)
可哀さうに私だつてまだ気が狂ふには間があります、なにね清さん詰まらない事なのよ、そりやあさうと清さん今夜は別に用がないなら
緩
(
ゆっく
)
り遊んでお
出
(
いで
)
なさいなと、さすがに
極
(
きま
)
り
悪
(
わ
)
るげな処へ
そめちがへ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
ああ私は遂に第四階級の偏見に囚われて
了
(
しま
)
った。けれども Into the people と云う言葉を熱愛する私には致し方がない。第四階級の文学は意地
悪
(
わ
)
るでもあれば、気狂じみても居る。
第四階級の文学
(新字新仮名)
/
中野秀人
(著)
と、アンドレイ、エヒミチは
悪
(
わ
)
るかったと
云
(
い
)
うような
顔付
(
かおつき
)
で
云
(
い
)
う。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
ところが、その延長で舞台でも眠る
悪
(
わ
)
る癖がありました。
癖
(新字旧仮名)
/
喜多村緑郎
(著)
ありし
雛遊
(
ひなあそ
)
びの
心
(
こゝろ
)
あらたまらず
改
(
あらた
)
まりし
姿
(
すがた
)
かたち
気
(
き
)
にとめんとせねばとまりもせで
良
(
りやう
)
さん
千代
(
ちい
)
ちやんと
他愛
(
たあい
)
もなき
談笑
(
だんせふ
)
に
果
(
は
)
ては
引
(
ひ
)
き
出
(
だ
)
す
喧嘩
(
けんくわ
)
の
糸口
(
いとぐち
)
最早
(
もう
)
来玉
(
きたま
)
ふな
何
(
なに
)
しに
来
(
こ
)
んお
前様
(
まへさま
)
こそのいひじらけに
見合
(
みあは
)
さぬ
顔
(
かほ
)
も
僅
(
はつ
)
か
二日目
(
ふつかめ
)
昨日
(
きのふ
)
は
私
(
わたし
)
が
悪
(
わ
)
るかりし
此後
(
このご
)
は
闇桜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
この弟は学校で、おれに代数と算術を教わる至って出来のわるい子だ。その
癖渡
(
くせわた
)
りものだから、生れ付いての田舎者よりも人が
悪
(
わ
)
るい。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
牛を飼っても食物が
悪
(
わ
)
るければ牛乳の質が粗悪になる。馬を飼っても豚を飼っても食物の良否でその体質が変化する。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
新「だって、きまりが
悪
(
わ
)
りいな、これはほんの私の心許りでございますから、貴方
後
(
あと
)
でお
茶請
(
ちゃうけ
)
でも買って下さいまし」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ここも同じく、人の手の
入
(
はい
)
った様子がないので、草や
蔓
(
つる
)
が
伸放題
(
のびほうだい
)
、入って行くのも
一寸
(
ちょっと
)
気味が
悪
(
わ
)
るいほどであった。
怪物屋敷
(新字新仮名)
/
柳川春葉
(著)
「あの塔の光りが何んだか、見届けていらつしやい。もし
悪
(
わ
)
る者でもゐたら、これで打つておしまひなさい」
ラマ塔の秘密
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
娘は
終
(
つい
)
にその
俳優
(
やくしゃ
)
の
胤
(
たね
)
を宿して、女の子を産んだそうだが、
何分
(
なにぶん
)
にも、
甚
(
はなは
)
だしい難産であったので、三日目にはその生れた子も死に、娘もその
後
(
のち
)
産後の
日立
(
ひだち
)
が
悪
(
わ
)
るかったので
因果
(新字新仮名)
/
小山内薫
(著)
無言
(
だま
)
っていろと口をかためられたのですから、薬売りは一人で気味
悪
(
わ
)
るがりながら、その
家
(
うち
)
が
誠
(
まこと
)
にはないようと祈ったり、そんな
馬鹿馬鹿
(
ばかばか
)
しいことがありようはないと思ったりして
糸繰沼
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
その晩中、気色
悪
(
わ
)
るそうにしていたが、
翌朝
(
あくるあさ
)
は、
何時
(
いつ
)
ものように働いていた。
あまり者
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
蝶は人の
霊魂
(
たましい
)
であるというようなことが、深く頭脳にあったので、何だか急に神経が刺戟されて、心臓の鼓動も高ぶった、自分は何だか気味の
悪
(
わ
)
るいので、
裾
(
すそ
)
のあたりを持って、それを払うけれど
白い蝶
(新字新仮名)
/
岡田三郎助
(著)
何となく陰気な
処
(
ところ
)
で、静かな夜に、隣室から、苦しそうな病人の
呻吟
(
うめきごえ
)
が聞えてきたり、薄暗い廊下を白い棺桶が通って行ったりして、
誠
(
まこと
)
に気味の
悪
(
わ
)
るいものだが、弟はその病院の二階にある解剖室で
死体室
(新字新仮名)
/
岩村透
(著)
私が弟への手紙のはしに書きつけやり候歌、なになれば
悪
(
わ
)
ろく候にや。あれは歌に候。この国に生れ候私は、私らは、この国を
愛
(
め
)
で候こと誰にか劣り候べき。物堅き家の両親は私に何をか教へ候ひし。
ひらきぶみ
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
「ウフッ。気色の
悪
(
わ
)
りい……ホントかいそれあ」
二重心臓
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
『
悪
(
わ
)
るい事なんか為ては
行
(
い
)
かんよ。』
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
それから英語の教師に
古賀
(
こが
)
とか云う大変顔色の
悪
(
わ
)
るい男が居た。大概顔の
蒼
(
あお
)
い人は
瘠
(
や
)
せてるもんだがこの男は蒼くふくれている。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ソーダ松魚の中でもマンダラというのは一層血身が多くって味の
悪
(
わ
)
るいものです。魚屋は両方ともソーダ松魚といって売りますけれども味は大層違います。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
私
(
わっち
)
は
初音屋
(
はつねや
)
にいる安てえ者ですが、此の土地にいて親方を知らねえと云うのは本当に
外聞
(
げえぶん
)
の
悪
(
わ
)
りいくれえのもので、吉原でも日本橋でも何処の川通りだって
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
三軒が皆
行
(
ゆ
)
き
通
(
とお
)
しのようになっていて、その
中央
(
なか
)
の家の、
立腐
(
たちぐさ
)
れになってる畳の上に、木の
朽
(
く
)
ちた、
如何
(
いか
)
にも怪し気な
長持
(
ながもち
)
が二つ置いてある、
蓋
(
ふた
)
は開けたなりなので、気味
悪
(
わ
)
る
悪
(
わ
)
る
内
(
なか
)
を
覘
(
のぞ
)
いて見ると
怪物屋敷
(新字新仮名)
/
柳川春葉
(著)
口の
悪
(
わ
)
るい、
噂
(
うはさ
)
の好きな人達は
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
中にはおれより背が高くって強そうなのが居る。あんな奴を教えるのかと思ったら何だか気味が
悪
(
わ
)
るくなった。
名刺
(
めいし
)
を出したら校長室へ通した。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その
外
(
ほか
)
色々のお料理に出来ますけれども食べ慣れないお方は気味を
悪
(
わ
)
るがって召上らないようです。西洋人は一週間に一度お薬のつもりで食べる人が多いそうです
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
飯「そんな事を云うと孝助が
間
(
ま
)
を
悪
(
わ
)
るがります、孝助折角の
思召
(
おぼしめ
)
し、御免を
蒙
(
こうむ
)
って
此方
(
こちら
)
へ来い」
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
下女は
悪
(
わ
)
るいところへぶつかった。愛嬌が退いて不安が這入る。愛嬌が
附焼刃
(
つけやきば
)
で不安が本体だと思うのは偽哲学者である。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
と云われて丈助はきまり
悪
(
わ
)
る
気
(
げ
)
にオズ/\しながら這入って参り
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
“悪”の解説
悪(あく)は、一般的な意味では、善の反対または欠如である。非常に広い概念であることもあるが、日常的な使い方では、より狭い範囲で深い邪悪さを表現することが多い。それは一般的に、複数の可能な形をとると考えられている。例えば、悪と一般的に関連している個人的な道徳的悪、または非個人的な自然的悪(自然災害または病気の場合のように)の形や、宗教的思想においては悪魔的または超自然的/永遠的な形などである。
(出典:Wikipedia)
悪
常用漢字
小3
部首:⼼
11画
“悪”を含む語句
悪戯
悪魔
悪漢
悪口
憎悪
悪寒
悪気
悪業
悪鬼
悪性
醜悪
好悪
折悪
悪霊
悪感
邪悪
悪戯盛
悪狡
悪徒
悪戯気
...