“床几”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しょうぎ87.7%
しやうぎ9.3%
しようぎ0.9%
しゃうぎ0.4%
しょうぎい0.4%
ばんこ0.4%
バン0.4%
バンコ0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
茶店の床几しょうぎ鼠色ねず羽二重はぶたえ襦袢じゅばんえりをしたあら久留米絣くるめがすりの美少年の姿が、ちらりと動く。今日は彼は茶店の卓で酒をんでいるのだ。
桃のある風景 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
細い俎板まないたの様な簡単な手術台に黒い桐油紙を布いたのが二脚、捨て床几しやうぎの様に置かれてあるきりで、広い其の室はがらんとして居た。
世の中へ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
君勇きみゆう』とか『秀香ひでか』とか、みやこ歌妓うたひめめた茶色ちやいろみじか暖簾のれんが、のきわたされて、緋毛氈ひまうせん床几しようぎ背後うしろに、赤前垂あかまへだれをんなが、甲高かんだかこゑしぼつてゐた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
鮓桶すしをけをこれへと樹下の床几しゃうぎかな
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
細長い土間の一方は、薄汚れた縦に六畳ばかりの市松畳、そこへ上れば坐れるのを、釜に近い、床几しょうぎいの上に、ト足を伸ばして
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
福介を土間の床几ばんこに残して、見世庭みせにわから中戸なかどを通って奥座敷へ導かれてゆく。
朱塗りの床几バンに腰を掛け、鼻っ先にり立った白堊の山の断面が、おいおい赤から濃い紫に変ってゆくのをわびしげに眺めながら、言葉もなく鼻を突き合していたが、コン吉はやがて力なく
細長い側防兵舎キャボンニェールの中に連れ込まれそこで写真機を取りあげられて、固い木の床几バンコのうえで一時間近くも待たされたうえ一段と奥まった部屋へ導かれた。