“染”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
30.7%
30.5%
そめ8.6%
にじ7.2%
6.1%
そま4.4%
しみ3.7%
ぞめ1.8%
まみ1.1%
1.1%
(他:22)4.8%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“染”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸25.8%
文学 > 日本文学 > 小説 物語7.9%
文学 > 日本文学 > 詩歌5.5%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
「處が、先生は何時もやさうな顏をしてお教へになります。そして先生のお教へになることはちつとも身にみません。」
猫又先生 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
いよいよ押借りであると見きわめた番頭は、彼等が何を取り出すかと見ていると、その風呂敷からは血にみた油紙が現われた。
半七捕物帳:40 異人の首 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「あたし、どんなに苦しんだかしれないの。お気にまないでしょうけど、柚子、怖がらずに死ねるようにしていただきたいわ」
春雪 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
南の方は軍馬ぐんば補充部ほじゅうぶの山又山狐色の波をうち、北は斗満の谷一帯木々の色すでに六分の秋をめて居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
この時日は既に万家ばんかむねに没しても、余残なごりの影をとどめて、西の半天を薄紅梅にそめた。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
浴衣ゆかたそめ秋草あきぐさは、女郎花をみなへしに、はぎむらさきに、いろあるまでに
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
そうして、両軍の間には、血のにじんだ砂の上に、矢の刺ったしかばねや牛の死骸が朝日を受けて点々として横たわっていた。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
と変哲もない愛想笑あいそうわらい。が、そう云う源助の鼻も赤し、これはいかな事、雑所先生の小鼻のあたりもべににじむ。
朱日記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
つまるところ、目賀野は本事件の主役ではなく、その傍系ぼうけいのドンキホーテみたところのある人物に過ぎないのだ。
鞄らしくない鞄 (新字新仮名) / 海野十三(著)
なにしろなんだ、そんな世帶しよたいみたことふなアよしてくれ。いただけでもくさくさするよ」
画家とセリセリス (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
一時間ののちドオヷアに着いて海峡の夜明よあけの雲の赤くそまつたもとで更に倫敦ロンドン行の汽車に乗移つた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
雪なす鸚鵡は、見る/\全身、美しい血にそまつたが、目を眠るばかり恍惚うっとりと成つて、ほがらかに歌つたのである。
印度更紗 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
あゝい景色だとか、綺麗な色だとか、五色ごしきばかりではなくの葉の黄ばんだのも面白く、又しみだらけになったのも面白い
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
成る程、喬介の手元を見ると、あらたに掘り出されたまだ余り古くない白銀色の鉄粉の層の上に、褐色の錆を浮かした大きなしみが出て来た。
カンカン虫殺人事件 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
だんだらぞめ長襦袢ながじゅばんの胸もはだけたなまめかしさ。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
いま山は紅葉もみじのまっさかりで、山腹さんぷく山上さんじょう、ところどころに鯨幕くじらまくやむらさきだんだらぞめ陣幕じんまくが、樹間じゅかんにひらめいて見える。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私が再び意識を取戻してふらふらと立上って見ると、博士や若い医者達は、暗い顔をして血まみれの手術台を取囲んでいた。
抱きついて首を掻いた大出刃、血泥ちみどろまみれた衣裳、竹の先に懸っていた笊目籠などは、纏めて馬場わきの溝へ押し込んであった。
と鳴いてゐるのだ、と幼い耳にみつけられた、物語りの出雲の嬢子が、そのまゝ、自分であるやうな気がして来る。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
と鳴いてゐるのだ、と幼い耳にみつけられた、物語りの出雲の孃子が、そのまゝ、自分であるやうな氣がして來る。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
そしてこの紫根染しこんぞめも茜染あかねぞめもいろいろの模様もようを置くことができず、みなしぼめである。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
「やはりそちは歌の家、二条為子の腹の子ではあるの。いまこそ人はそれぞれに——すみめの色をもへつ月草の、移れば変る花のころもに——とみな栄耀えようを愉しもうとしておるのに」
ある点で日本人は、恰も我国の子供が子供じみているように、子供らしい。
いまにも象のような犬が飛出して来るのではないか、背後うしろから大蛇のような蚯蚓みみずの奴が我々の隙をねらっているのではないか——そんな狂気じみた気持にさえなって来る。
火星の魔術師 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
ひなたもとそむるはるかぜ 羽紅うこう
俳句への道 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
と、お蔦は俯向うつむいた小芳を起して、膝突合わせて居直ったが、頬を薄蒼うそむるまでその半襟を咽喉のどに当てて、おとがい深くじっおさえた、浴衣に映る紫栄えて、血を吐く胸の美しさよ。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
竹は細くけずった上に、色がけてある。
文鳥 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
白く降埋ふりうずんだ往来には、人や馬の通るあと一条ひとすじ赤くいている——その泥交どろまじりの雪道を、おつぎさんの凍った身体は藁蓆むしろの上に載せられて、巡査小吏やくにんなぞに取囲まれて、静に担がれて行きました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「なんぼなんでも早すぎやしないかい?」とおばあさんのうれしい時の目のうつつたやうな表情で云つた。「時計を見違へたんぢやないのか?」
おばあさん (旧字旧仮名) / ささきふさ(著)
「船中で……英国船の船中で船医に命令すればいかなる真似でもできます。シャアが感染するほど激烈な脳脊髄膜炎ならば、なぜ同行の大使館員二人にはうつらないのでしょう! これでは殿下は死んでも死に切れません! いいや殿下は我慢なさっても我々印度人にはもう我慢がならないのです」
ナリン殿下への回想 (新字新仮名) / 橘外男(著)
カタリとも言わず……あまつさえ西洋の、ひしとあり、しんとして、ぷんと、ここる、強い、湿っぽい、重くるしい薬のにおいが、形あるはくのようにさっと来て、時にヒイヤリと寝台を包む。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
『大分世帯にしゆんでるらしい目立つ鹿の子の油垢』
斑鳩物語 (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)
が、日頃ひごろいかつい軍曹ぐんそう感激かんげきなみださへかすかににぢんでゐるのをてとると、それになんとないあはれつぽさをかんじてつぎからつぎへと俯向うつむいてしまつた。
一兵卒と銃 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
玉津島たまつしま磯の浦回うらみ真砂まさごにもにほひて行かな妹が触りけむ」(同・一七九九)というので
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
「玉津島磯の浦廻うらみ真砂まなごにもにほひて行かな妹がりけむ」(巻九・一七九九)
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
……山県に麻岐斯マキシあだね搗き め木が汁にめ衣を……(古事記上巻)
顔をさへ もみぢにソメて、山ぶみのかへさに来よる人の うるさゝ
橘曙覧評伝 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)