“染”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
30.8%
29.3%
そめ9.2%
にじ7.1%
5.8%
そま5.6%
しみ3.7%
ぞめ1.5%
まみ1.2%
1.0%
0.8%
じみ0.6%
そむ0.6%
0.6%
そみ0.4%
うつ0.4%
にほ0.2%
0.2%
しゆ0.2%
なじ0.2%
なず0.2%
にぢ0.2%
0.2%
ソメ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
番目には露國文豪トルストイ傑作千古」とふのと、バンカラ喜劇小辰大一座ふのが、赤地いてあつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
床柱けたる払子の先にはき残るの煙りがみ込んで、軸は若冲蘆雁と見える。の数は七十三羽、より数えがたい。
一夜 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
裏の溝川で秋のが枯れがれに鳴いているのを、おは寂しい心持ちで聴いていた。ことし十七の彼女は今夜が勤めの第一夜であった。
鳥辺山心中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
鼻をく石炭酸の臭いは、室の中に込み上った。障子に浸みた消毒水のは、外の暗くなりかかった灰色の空の色をませていた。
悪魔 (新字新仮名) / 小川未明(著)
だ東京で三年前に買つたのをつて居る僕の帽も連中みた鳥打帽やれた山高帽に比べれば謙遜する必要は無かつた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
まア寺男からおさんの子じゃア有るけれども眞達さんまでもえ事にりまして、それからおさん此の頃寺で賭博ますと
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
帽子に着いている血のと、急拵えの石のと、そのに落ちていたセリ・インデヤ人の毒矢とを見れば、ジョン少年の運命は知れる。
帯の掛けを抜いて引き出したので、薄い金紗れながら肩先から滑り落ちて、だんだら長襦袢の胸もはだけたしさ。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
抱きついて首を掻いた大出刃、血泥れた衣裳、竹の先に懸っていた笊目籠などは、纏めて馬場わきの溝へ押し込んであった。
けれども片方、故らに木綿でない事を示したのは、白和栲が、幣束として普通の物でなく、特殊の場合に限つて使うた物であつた故かも知れぬ。
幣束から旗さし物へ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
紫はの胸毛の如くに美しくもめたるもの、また緑は流るる水の緑なるが如く、藍は藍めの布の裏地を見る心地にもへんか。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ある点で日本人は、恰も我国の子供が子供ているように、子供らしい。ある種の類似点は、誠に驚くばかりである。
と、お蔦は俯向いた小芳を起して、膝突合わせて居直ったが、頬を薄蒼うるまでその半襟を咽喉に当てて、深くえた、浴衣に映る紫栄えて、血を吐く胸の美しさよ。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
台がで塗ってある。竹は細くった上に、色がけてある。それで三円だと云う。安いなあ豊隆と云っている。豊隆はうん安いと云っている。
文鳥 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
見廻せば片邊に女のれ居て息も絶たる樣子なりとて憑司はと手を打是と云も元は傳吉からたこと然らば此死骸へ昌次郎お梅が着類
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「なんぼなんでも早すぎやしないかい?」とおばあさんのうれしい時の目のつたやうな表情で云つた。「時計を見違へたんぢやないのか?」
おばあさん (旧字旧仮名) / ささきふさ(著)
玉津島磯の浦回真砂にもひて行かな妹が触りけむ」(同・一七九九)というので、いずれも哀深いものである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
カタリとも言わず……あまつさえ西洋の、ひしとあり、として、と、る、強い、湿っぽい、重くるしい薬のが、形あるのようにと来て、時にヒイヤリと寝台を包む。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
『大分世帯にんでるらしい目立つ鹿の子の油垢』
斑鳩物語 (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)
この種の悪癖は、例えばかのモルヒネ中毒の様に、一度んだなら一生涯められないばかりでなく、日と共に月と共に恐ろしい勢いでその病勢が昂進して行くものであります。
陰獣 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
驍勇走りて奔馬に及ぶ、かくのごとく漸くむ、人皆竜種云々〉。
が、日頃いかつい軍曹感激さへかにんでゐるのをてとると、それにとないれつぽさをじてからへと俯向いてしまつた。
一兵卒と銃 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
……山県に麻岐斯あだね搗き め木が汁にめ衣を……(古事記上巻)
顔をさへ もみぢにて、山ぶみのかへさに来よる人の うるさゝ
橘曙覧評伝 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)