そむ)” の例文
と、お蔦は俯向うつむいた小芳を起して、膝突合わせて居直ったが、頬を薄蒼うそむるまでその半襟を咽喉のどに当てて、おとがい深くじっおさえた、浴衣に映る紫栄えて、血を吐く胸の美しさよ。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ひなたもとそむるはるかぜ 羽紅うこう
俳句への道 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
片町にさらさそむるや春の風
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)