“伝染”のいろいろな読み方と例文
旧字:傳染
読み方割合
うつ75.0%
でんせん9.4%
しみ6.3%
うつっ3.1%
うつり3.1%
うつッ3.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのうちにそれへ自分のでない咳がまじっているのに気がつく。どうも彼の真上の寝台の中でするらしい。おれの咳が伝染うつったのかな。
恢復期 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
悪病あくびょう流行りゅうこうしています。その伝染でんせんはやさといったらかぜのようであります。このぶんなら人間にんげんがみんなえてしまうであろうとおもいます。」
消えた美しい不思議なにじ (新字新仮名) / 小川未明(著)
さて一月もたゝざるうちに近辺きんべん所々にてんぷらの夜みせいで、今は天麩羅の名油のごとく世上に伝染しみわたり、此小千谷をぢやまでもてんぷらの名をよぶ事一奇事といふべし。
軍鶏屋しゃもやをはじめたのがいけなくなって氷店になったのだった。道楽ものの兄が二人いたが、その一人と母親とが伝染うつって、二、三日のうちに三人もいなくなってしまった。
私はときどきは伝染うつりはしないだろうかという不安を感じたが、しかしすぐに消えて行った。
性に眼覚める頃 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
さあ、お奥では大騒動、可恐おそろしい大熱だから伝染うつッても悪し、本人も心許こころもとないと云うので、親許へ下げたのだ。医者はね、お前、手を放してしまったけれども、これは日ならずなおったよ。
湯女の魂 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)