“うつり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
配合26.7%
13.3%
調和6.7%
伝染6.7%
対照6.7%
感染6.7%
推移6.7%
6.7%
映象6.7%
遷幸6.7%
配色6.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
とんだ配合うつりいと柳橋の芸者が七人とも之を着ましたが中にも一際ひときわ目立って此のお村には似合いました処から、人之を綽名あだなして市松のお村と申しました。
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
うつり行くものきえ行くものゝうちにありて
寝衣ねまきか何か、あわせ白地しろじ浴衣ゆかたかさねたのを着て、しごきをグルグル巻にし、上に不断の羽織をはおっている秩序しどけない姿もなまめかしくて、此人には調和うつりい。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
伯母さん——といっては何だか調和うつりが悪い、奥様は一寸ちょっと会釈して
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
私はときどきは伝染うつりはしないだろうかという不安を感じたが、しかしすぐに消えて行った。
性に眼覚める頃 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
そなたってかうとおもって、今日きょうはわざわざ老人としより姿すがたけて出現てまいった。人間にんげん談話はなしをするのに竜体りゅうたいではちと対照うつりわるいのでな……。
「ああ、勿体ない。そんなになすっては不可いけません。みんながそうじゃないって言いますけれど、私は色のついたたんを吐きますから、大切なお身体からだに、もしか、感染うつりでもするとなりません。」
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
私共が引越当年生れた赤ン坊が、もう十七になるのです。赤ン坊が青春男女になり、青年が一人前になり、男女ざかりが初老になり、老人が順繰じゅんぐり土の中に入るも自然の推移うつりです。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
めでたき飾紐リボンあまた買はるべし、その黒き髮にうつりきものをえらみ試みんは、いかに樂かるべきぞなど、繰返して説き勸めつ。
その實に即いたる美の主觀に入るに當りて、實より離れたるを美の映象うつりといふ。これを先天によりて實を立てたる論となす。(卷二、五面以下)
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
「かくなっては、かねてしめし合せていた通り御動座ごどうざ(天皇のお遷幸うつり)を仰ぐしかあるまい。その一策あるのみだ。……やみやみ、座して鎌倉の魔手を待ってよいものか」
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
銘仙矢絣やがすり単衣ひとへに、白茶の繻珍しゆちんの帯も配色うつりがよく、生際はえぎはの美しい髪を油気なしのエス巻に結つて、幅広のねずのリボンを生温かい風が煽る。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)