“繻珍”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しゅちん80.9%
しゆちん12.8%
しちん2.1%
しゅっちん2.1%
シチン2.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
絹羽二重は二つ割りにして、又支那から渡来いたしました繻珍しゅちんだの緞子どんすなどと申しますものは、三つ割りに致して用いておりました。
帯の巾が広すぎる (新字新仮名) / 上村松園(著)
銘仙矢絣やがすり単衣ひとへに、白茶の繻珍しゆちんの帯も配色うつりがよく、生際はえぎはの美しい髪を油気なしのエス巻に結つて、幅広のねずのリボンを生温かい風が煽る。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
あるとき、多計代が座敷のまんなかに坐って泣きながら、お父様って何て残酷なひとだろう! とおかっぱにつけまげをして、綿繻珍しちんの帯を貝の口にしめている少女の伸子に云った。
道標 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
お蘭もそんならこうと、下女へ話して急に着物を着替え小紋縮緬の変り裏に黒朱子くろじゅす繻珍しゅっちんの帯をしめて、丸髷のおくれ髪をなであげ、白金を出まして
女の繻珍シチンの丸帯をほどいて洋服のズボンにして着たとか、英語の字引を祖母も手つだって手写したとか、小判を腰につけて堀田の使いで不忍池の畔を歩いていたら