本庄陸男
1905.02.20 〜 1939.07.23
著者としての作品一覧
石狩川(新字新仮名)
読書目安時間:約8時間30分
もはや日暮れであった。濶葉樹のすき間にちらついていた空は藍青に変り、重なった葉裏にも黒いかげが漂っていた。進んで行く渓谷にはいち早く宵闇がおとずれている。足もとの水は蹴立てられて白 …
読書目安時間:約8時間30分
もはや日暮れであった。濶葉樹のすき間にちらついていた空は藍青に変り、重なった葉裏にも黒いかげが漂っていた。進んで行く渓谷にはいち早く宵闇がおとずれている。足もとの水は蹴立てられて白 …
お菜のない弁当(新字新仮名)
読書目安時間:約4分
誰でもその口実をはっきり知っていた。——それは五月十六日の朝からなのだ。その前の日は、犬養総理大臣が白昼公然と官邸で射殺された。でかでかと新聞に書かれたこの大事件によって、少しは景 …
読書目安時間:約4分
誰でもその口実をはっきり知っていた。——それは五月十六日の朝からなのだ。その前の日は、犬養総理大臣が白昼公然と官邸で射殺された。でかでかと新聞に書かれたこの大事件によって、少しは景 …
白い壁(新字新仮名)
読書目安時間:約52分
とうとう癇癪をおこしてしまった母親は、削りかけのコルクをいきなり畳に投げつけて「野郎ぉ……」と喚くのであった。 「いめいめしいこの餓鬼やあ、何たら学校学校だ。この雨が見えねえか!今 …
読書目安時間:約52分
とうとう癇癪をおこしてしまった母親は、削りかけのコルクをいきなり畳に投げつけて「野郎ぉ……」と喚くのであった。 「いめいめしいこの餓鬼やあ、何たら学校学校だ。この雨が見えねえか!今 …
前夜(新字新仮名)
読書目安時間:約3分
音のしないように板戸を開けた、親爺は煙管を横ぐわえにしてじろっと此方を見た。夜目にもその目が血走っていた、清二は腫物にさわるような思いで地下足袋を脱ぎ、井戸端に行ってゆっくり足を洗 …
読書目安時間:約3分
音のしないように板戸を開けた、親爺は煙管を横ぐわえにしてじろっと此方を見た。夜目にもその目が血走っていた、清二は腫物にさわるような思いで地下足袋を脱ぎ、井戸端に行ってゆっくり足を洗 …
とも喰い(新字新仮名)
読書目安時間:約4分
雪まびれになった阿母は、精根枯らした顔で帰って来た。一日村を歩きまわって、貰ったのは蕎麦殻の袋だった。それでも仔細に見ると多少の粉が篩い落されるかも知れないと云うのだ。 「救済いう …
読書目安時間:約4分
雪まびれになった阿母は、精根枯らした顔で帰って来た。一日村を歩きまわって、貰ったのは蕎麦殻の袋だった。それでも仔細に見ると多少の粉が篩い落されるかも知れないと云うのだ。 「救済いう …
“本庄陸男”について
本庄 陸男(ほんじょう むつお、1905年2月20日-1939年7月23日)は、日本の小説家である。北海道石狩郡当別町出身。
(出典:Wikipedia)
(出典:Wikipedia)
“本庄陸男”と年代が近い著者
きょうが誕生日(12月14日)
成沢玲川(1877年)
今月で生誕X十年
今月で没後X十年
今年で生誕X百年
今年で没後X百年
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