戸坂潤
1900.09.27 〜 1945.08.09
“戸坂潤”に特徴的な語句
甄
著者としての作品一覧
イデオロギー概論(新字新仮名)
読書目安時間:約5時間21分
私は二年あまり前に、『イデオロギーの論理学』を出版したが、今度の書物は全く、それの具体化と新しい領域への展開なのである。が、そればかりでなく、又その敷衍と平易化とでもあることを願っ …
読書目安時間:約5時間21分
私は二年あまり前に、『イデオロギーの論理学』を出版したが、今度の書物は全く、それの具体化と新しい領域への展開なのである。が、そればかりでなく、又その敷衍と平易化とでもあることを願っ …
イデオロギーの論理学(新字新仮名)
読書目安時間:約3時間52分
この書物は、過去一年余りの間に私が様々な雑誌に発表した文章を、略々発表の時期の順序に従って編集したものである。どの文章もそれだけで独立な統一を有っているのではあるが、書物全体が実は …
読書目安時間:約3時間52分
この書物は、過去一年余りの間に私が様々な雑誌に発表した文章を、略々発表の時期の順序に従って編集したものである。どの文章もそれだけで独立な統一を有っているのではあるが、書物全体が実は …
所謂批評の「科学性」についての考察(新字新仮名)
読書目安時間:約22分
単に文芸批評だけではない。総ての評論風の批評は直接感受した印象の追跡を建前とする。ただその印象が芸術的な印象ではなくて、理論的印象や科学的印象である時、普通これを印象とは呼ばないま …
読書目安時間:約22分
単に文芸批評だけではない。総ての評論風の批評は直接感受した印象の追跡を建前とする。ただその印象が芸術的な印象ではなくて、理論的印象や科学的印象である時、普通これを印象とは呼ばないま …
映画芸術と映画:アブストラクションの作用へ(新字新仮名)
読書目安時間:約12分
今日普通映画と呼ばれているものは、大体映画芸術のことである。厳密な意味に於て芸術としての価値があるなしに拘らず、ともかく芸術という部類に入れて然るべき映画を指すのである。勿論「芸術 …
読書目安時間:約12分
今日普通映画と呼ばれているものは、大体映画芸術のことである。厳密な意味に於て芸術としての価値があるなしに拘らず、ともかく芸術という部類に入れて然るべき映画を指すのである。勿論「芸術 …
エマヌエル・カント『自然哲学原理』解説(新字新仮名)
読書目安時間:約1時間13分
一、訳者の「解説」の一部分は、Buek 上記の校訂版(Philosophische Bibliothek 新版 Metaphysische Anfangsgründe der Na …
読書目安時間:約1時間13分
一、訳者の「解説」の一部分は、Buek 上記の校訂版(Philosophische Bibliothek 新版 Metaphysische Anfangsgründe der Na …
科学的精神とは何か:――日本文化論に及ぶ――(新字新仮名)
読書目安時間:約21分
初めに引用というものに就いて述べる必要があると思う。引用の天才はかつての福本和夫氏であった。彼の論争文はその文章の殆んど五割に及ぶ内容が、論敵からの引用と、マルクス・エンゲルス・レ …
読書目安時間:約21分
初めに引用というものに就いて述べる必要があると思う。引用の天才はかつての福本和夫氏であった。彼の論争文はその文章の殆んど五割に及ぶ内容が、論敵からの引用と、マルクス・エンゲルス・レ …
科学と科学の観念(新字新仮名)
読書目安時間:約10分
現在の時局は、文化の観点から云えば勿論のこと、文化以外の観点である軍事や生産技術の観点から云っても、科学の時代である。科学という観念が、尊ばれ流行し又親しまれている。科学という字が …
読書目安時間:約10分
現在の時局は、文化の観点から云えば勿論のこと、文化以外の観点である軍事や生産技術の観点から云っても、科学の時代である。科学という観念が、尊ばれ流行し又親しまれている。科学という字が …
科学方法論(新字新仮名)
読書目安時間:約4時間49分
科学方法論を私は、学問論乃至科学論の一つの特殊な形態として取り扱うべきであると考える。学問の方法を中枢とした限りの学問理論こそ、恰も科学方法論の名を以て呼ばれているものであり、そし …
読書目安時間:約4時間49分
科学方法論を私は、学問論乃至科学論の一つの特殊な形態として取り扱うべきであると考える。学問の方法を中枢とした限りの学問理論こそ、恰も科学方法論の名を以て呼ばれているものであり、そし …
科学論(新字新仮名)
読書目安時間:約4時間44分
科学というものが一纏めにして、一体どういうものであるかを、この書物は分析するのである。そこで、科学自身の脈絡を、なるべく生きたまま取り出して見たいと私は考えた。だがその点あまり成功 …
読書目安時間:約4時間44分
科学というものが一纏めにして、一体どういうものであるかを、この書物は分析するのである。そこで、科学自身の脈絡を、なるべく生きたまま取り出して見たいと私は考えた。だがその点あまり成功 …
学生の技能と勤労大衆(新字新仮名)
読書目安時間:約13分
最近私は学生や青年の問題について、書くことを注文されたり意見を徴されたりすることが非常に多い。何が問題になっているのだろうか。何かが見えない動機となってそういう問題を提出させるに相 …
読書目安時間:約13分
最近私は学生や青年の問題について、書くことを注文されたり意見を徴されたりすることが非常に多い。何が問題になっているのだろうか。何かが見えない動機となってそういう問題を提出させるに相 …
学界の純粋支持者として(新字新仮名)
読書目安時間:約5分
学界というものをごく狭く理解して、研究室や研究所に直接関係がある世界のことだとすると、私は今日では全く学界の外の人である。私は研究所の嘱託でも研究員でもなければ、大学の教室の助手で …
読書目安時間:約5分
学界というものをごく狭く理解して、研究室や研究所に直接関係がある世界のことだとすると、私は今日では全く学界の外の人である。私は研究所の嘱託でも研究員でもなければ、大学の教室の助手で …
カントと現代の科学(新字新仮名)
読書目安時間:約23分
J. v. Kries の『カント、及び現代の自然研究に対するカントの意味』の要領を紹介して見ようと思う。之はカント二百年記念に際して出版されたカント文献の内でも偉出したものの一つ …
読書目安時間:約23分
J. v. Kries の『カント、及び現代の自然研究に対するカントの意味』の要領を紹介して見ようと思う。之はカント二百年記念に際して出版されたカント文献の内でも偉出したものの一つ …
幾何学と空間(新字新仮名)
読書目安時間:約1時間14分
幾何学とは何であるか、之が私の問題である。云い換えれば、幾何学が或る一種の数学であることを承認し且つ一般に数学の真理が先験的であることを予想するとして、幾何学の——数学一般の、では …
読書目安時間:約1時間14分
幾何学とは何であるか、之が私の問題である。云い換えれば、幾何学が或る一種の数学であることを承認し且つ一般に数学の真理が先験的であることを予想するとして、幾何学の——数学一般の、では …
技術的精神とは何か(新字新仮名)
読書目安時間:約17分
技術的精神は近代文化の根本精神であると私は考えている。それを説明したいと思う。ジェームズ・ジョイスの『ユリシーズ』物語つまりオデュッセイア物語の主人公は、ディーダラスで、之はオデュ …
読書目安時間:約17分
技術的精神は近代文化の根本精神であると私は考えている。それを説明したいと思う。ジェームズ・ジョイスの『ユリシーズ』物語つまりオデュッセイア物語の主人公は、ディーダラスで、之はオデュ …
技術と科学との概念(新字新仮名)
読書目安時間:約8分
要点だけをごく手短かに叙べねばならぬ。 まず技術から始めよう。技術について最も間違いを少なくするには初めに之を物質的生産技術に限定して考えることが必要である。当分この限定を胸に置い …
読書目安時間:約8分
要点だけをごく手短かに叙べねばならぬ。 まず技術から始めよう。技術について最も間違いを少なくするには初めに之を物質的生産技術に限定して考えることが必要である。当分この限定を胸に置い …
技術の哲学(新字新仮名)
読書目安時間:約2時間49分
私は今特に、文明批評又は文化批判の立場から、技術の問題を取り上げる。「技術の哲学」と名づけた理由は之である。そしてここでは主に、技術をイデオロギー理論に関係させて取り扱おうと思った …
読書目安時間:約2時間49分
私は今特に、文明批評又は文化批判の立場から、技術の問題を取り上げる。「技術の哲学」と名づけた理由は之である。そしてここでは主に、技術をイデオロギー理論に関係させて取り扱おうと思った …
技術へ行く問題(新字新仮名)
読書目安時間:約7分
初めに私は、少し大胆かも知れない独断をやって除けたいと思う。この独断には尤も自分なりの動機はあるのだから、その動機から説明してかかる方がいいかも知れない。エーヴ・キュリの『キュリ夫 …
読書目安時間:約7分
初めに私は、少し大胆かも知れない独断をやって除けたいと思う。この独断には尤も自分なりの動機はあるのだから、その動機から説明してかかる方がいいかも知れない。エーヴ・キュリの『キュリ夫 …
挙国一致体制と国民生活(新字新仮名)
読書目安時間:約17分
数カ月前までは、国防予算乃至軍事予算の膨大と国民生活の安定とは、事実上に於て相剋する関係にあるということが、国民の常識となっていた。而もこの間の相剋・背反・関係に最初の認識を与えた …
読書目安時間:約17分
数カ月前までは、国防予算乃至軍事予算の膨大と国民生活の安定とは、事実上に於て相剋する関係にあるということが、国民の常識となっていた。而もこの間の相剋・背反・関係に最初の認識を与えた …
空間概念の分析(新字新仮名)
読書目安時間:約1時間47分
吾々の問題を正当に提出し得るためには、提出に先立って、次の準備が是非とも必要である。 第一に、吾々は何を概念と呼ぶか。 その説明を試みるために、理解という言葉から出発しよう。考え・ …
読書目安時間:約1時間47分
吾々の問題を正当に提出し得るためには、提出に先立って、次の準備が是非とも必要である。 第一に、吾々は何を概念と呼ぶか。 その説明を試みるために、理解という言葉から出発しよう。考え・ …
クリティシズムと認識論との関係(新字新仮名)
読書目安時間:約51分
クリティシズムの哲学的意義について、私は前に色々書いたことがある。今これを拡張しようと思う。哲学的意義という規定をもう少し厳密に云えば、夫を認識論的意義と云っていいだろう。なぜ哲学 …
読書目安時間:約51分
クリティシズムの哲学的意義について、私は前に色々書いたことがある。今これを拡張しようと思う。哲学的意義という規定をもう少し厳密に云えば、夫を認識論的意義と云っていいだろう。なぜ哲学 …
啓蒙の現代的意味と役割とについて(新字新仮名)
読書目安時間:約18分
現代の日本に於ては教育家というものは数え切れない程存在している。少くとも教育という問題に関心を持っている者は、他の関心の所有者に較べて圧倒的に多数だ。教育雑誌の数は雑誌の内で一等多 …
読書目安時間:約18分
現代の日本に於ては教育家というものは数え切れない程存在している。少くとも教育という問題に関心を持っている者は、他の関心の所有者に較べて圧倒的に多数だ。教育雑誌の数は雑誌の内で一等多 …
現代科学教育論(新字新仮名)
読書目安時間:約19分
科学教育という名でさし当り考えられるものに二つの場合がある。第一は科学者養成のための専門教育であり、第二は素養乃至教育としての科学のための云わば普通教育である。専門の科学者となるに …
読書目安時間:約19分
科学教育という名でさし当り考えられるものに二つの場合がある。第一は科学者養成のための専門教育であり、第二は素養乃至教育としての科学のための云わば普通教育である。専門の科学者となるに …
現代哲学講話(新字新仮名)
読書目安時間:約8時間53分
私は今現代哲学に就いて、教師風の説明を与えることを目的としているのではない。無論おのずからそういう結果になった部分もあるし、又そうなることを避けねばならぬ理由もないのだが、併しいつ …
読書目安時間:約8時間53分
私は今現代哲学に就いて、教師風の説明を与えることを目的としているのではない。無論おのずからそういう結果になった部分もあるし、又そうなることを避けねばならぬ理由もないのだが、併しいつ …
現代日本の思想対立(新字新仮名)
読書目安時間:約4時間10分
二三年来、問題に触れて書いて来た社会評論の内から、手頃と思われるものを選んで、出版することにした。私はかねてから、批評の任務は努めて客観的公正を守るということにあると信じている。観 …
読書目安時間:約4時間10分
二三年来、問題に触れて書いて来た社会評論の内から、手頃と思われるものを選んで、出版することにした。私はかねてから、批評の任務は努めて客観的公正を守るということにあると信じている。観 …
現代唯物論講話(新字新仮名)
読書目安時間:約8時間20分
現代唯物論の対象となるものを物質論・認識論・科学論・文化論・の四部門に分けて見た。存在が物質であり、之を認識するのが認識であり、その認識が科学に組織されるのであり、そして科学は文化 …
読書目安時間:約8時間20分
現代唯物論の対象となるものを物質論・認識論・科学論・文化論・の四部門に分けて見た。存在が物質であり、之を認識するのが認識であり、その認識が科学に組織されるのであり、そして科学は文化 …
獄中通信(新字新仮名)
読書目安時間:約8分
戸坂嵐子殿(十九年十二月十二日朝) 八日に手紙六通(老人3嵐子2イク子1)入手、進学の件など明らかとなり安心。——昭和の高等学院が第二次なら第三次を何でもよいから一つ選べ、もし第三 …
読書目安時間:約8分
戸坂嵐子殿(十九年十二月十二日朝) 八日に手紙六通(老人3嵐子2イク子1)入手、進学の件など明らかとなり安心。——昭和の高等学院が第二次なら第三次を何でもよいから一つ選べ、もし第三 …
近衛内閣の常識性(新字新仮名)
読書目安時間:約14分
近衛内閣の成立は、今の処割合評判が悪くないというのが事実だろう。なぜ評判が悪くないかと考えて見ると、恐らく第一に、近衛文麿公という人物が現下の時局に占めているユニックな位置によるも …
読書目安時間:約14分
近衛内閣の成立は、今の処割合評判が悪くないというのが事実だろう。なぜ評判が悪くないかと考えて見ると、恐らく第一に、近衛文麿公という人物が現下の時局に占めているユニックな位置によるも …
娯楽論:民衆と娯楽・その積極性と社会性・(新字新仮名)
読書目安時間:約29分
——民衆と娯楽・その積極性と社会性・—— 娯楽というものの価値が正当に評価されていない、娯楽が有つ深長な意義にもっと注意を払わなければいけない、娯楽の理論的な考察をもっと真剣に試み …
読書目安時間:約29分
——民衆と娯楽・その積極性と社会性・—— 娯楽というものの価値が正当に評価されていない、娯楽が有つ深長な意義にもっと注意を払わなければいけない、娯楽の理論的な考察をもっと真剣に試み …
最近日本の科学論:――緒論の部―一般的特色について――(新字新仮名)
読書目安時間:約20分
ひとり日本に限るわけではないが、特に現在の日本に於ては、含蓄ある意味での科学論が、多少とも進歩に関心を持つ社会人の溌剌たる興味の対象になっている点を、私は注目したい。近代日本の科学 …
読書目安時間:約20分
ひとり日本に限るわけではないが、特に現在の日本に於ては、含蓄ある意味での科学論が、多少とも進歩に関心を持つ社会人の溌剌たる興味の対象になっている点を、私は注目したい。近代日本の科学 …
思想議会たるを知れ(新字新仮名)
読書目安時間:約5分
第七十議会の問題となるべきものは数限りがない。元来ならば議会では議員側から積極的な法案が続々提出されて然るべきものだ。特に無産政党にとっては各種社会立法の提案に事は欠かない筈である …
読書目安時間:約5分
第七十議会の問題となるべきものは数限りがない。元来ならば議会では議員側から積極的な法案が続々提出されて然るべきものだ。特に無産政党にとっては各種社会立法の提案に事は欠かない筈である …
思想動員論(新字新仮名)
読書目安時間:約19分
準戦時体制、或いは寧ろ戦時的体制の下に、事実上今日各部面の動員が行なわれている。軍事的動員を中心として、経済的、財政的動員、政治的動員、社会的動員、等々が行なわれつつある。戦時的体 …
読書目安時間:約19分
準戦時体制、或いは寧ろ戦時的体制の下に、事実上今日各部面の動員が行なわれている。軍事的動員を中心として、経済的、財政的動員、政治的動員、社会的動員、等々が行なわれつつある。戦時的体 …
思想としての文学(新字新仮名)
読書目安時間:約6時間59分
文学という言葉を文献学という意味に使い、所謂文学の代りに文芸という言葉を使え、という意見もあるが、私はにわかに賛成出来ない。文学は単なる文芸でもなく又文献学でもなしに、ある他のもっ …
読書目安時間:約6時間59分
文学という言葉を文献学という意味に使い、所謂文学の代りに文芸という言葉を使え、という意見もあるが、私はにわかに賛成出来ない。文学は単なる文芸でもなく又文献学でもなしに、ある他のもっ …
思想と風俗(新字新仮名)
読書目安時間:約7時間13分
序 思想というものは、その持ち主の身につけば、その持主の好みのようなものにまでもなるものだ。意識とも良心ともモラルとも云っていいものになる。そして同じ時代の同じ社会に活きている沢山 …
読書目安時間:約7時間13分
序 思想というものは、その持ち主の身につけば、その持主の好みのようなものにまでもなるものだ。意識とも良心ともモラルとも云っていいものになる。そして同じ時代の同じ社会に活きている沢山 …
辞典(新字新仮名)
読書目安時間:約3時間8分
ドイツのプランケンベルクに生れた。父は鞣皮業。一八三二年父と共にウッケラートに移り、従前通りの事業に従事しつつウッケラートの小学校に通学、後ケルンの高等小学校に暫く在学した。其後半 …
読書目安時間:約3時間8分
ドイツのプランケンベルクに生れた。父は鞣皮業。一八三二年父と共にウッケラートに移り、従前通りの事業に従事しつつウッケラートの小学校に通学、後ケルンの高等小学校に暫く在学した。其後半 …
社会時評(新字新仮名)
読書目安時間:約6時間29分
思想問題恐怖症 自由主義の悲劇面 転向万歳 倫理化時代 減刑運動の効果 世人の顰蹙 林檎が起した波紋 小学校校長のために 博士ダンピングへ 荒木陸相の流感以後 スポーツマンシップと …
読書目安時間:約6時間29分
思想問題恐怖症 自由主義の悲劇面 転向万歳 倫理化時代 減刑運動の効果 世人の顰蹙 林檎が起した波紋 小学校校長のために 博士ダンピングへ 荒木陸相の流感以後 スポーツマンシップと …
社大党はファッショ化したか?(新字新仮名)
読書目安時間:約19分
初めに断わっておくが、私はごく最近社会大衆党に這入った一党員である。その限り一応党是に服し党の指導方針を尊重すべきであるのは、常識である。と共に党内に於ける党批判の自由は、そのデモ …
読書目安時間:約19分
初めに断わっておくが、私はごく最近社会大衆党に這入った一党員である。その限り一応党是に服し党の指導方針を尊重すべきであるのは、常識である。と共に党内に於ける党批判の自由は、そのデモ …
性格としての空間:――理論の輪郭――(新字新仮名)
読書目安時間:約39分
問題を知識——認識——の範囲に限ろうと思う。尤も始めから知識の世界と知識でない世界とを区別しておいて、その上で知識の世界の外へ一歩も出ないように注意しようというのではない。そのため …
読書目安時間:約39分
問題を知識——認識——の範囲に限ろうと思う。尤も始めから知識の世界と知識でない世界とを区別しておいて、その上で知識の世界の外へ一歩も出ないように注意しようというのではない。そのため …
生産を目標とする科学:――再三「科学と技術」とについて――(新字新仮名)
読書目安時間:約7分
科学(特に自然科学)と技術(第一に物的生産技術)との関係は、今日ではすでに陳腐な問題のように響く。少なくとも二つの間に密接な又直接な連絡のあることは万人の常識である。にも拘らず私に …
読書目安時間:約7分
科学(特に自然科学)と技術(第一に物的生産技術)との関係は、今日ではすでに陳腐な問題のように響く。少なくとも二つの間に密接な又直接な連絡のあることは万人の常識である。にも拘らず私に …
世界の一環としての日本(新字新仮名)
読書目安時間:約7時間10分
ここに編纂したものは、必ずしも研究論文ではない。と共に一時的な時評でもない。私は、時代の評論とでも云うべきだと考える。大体から云うと、ごく啓蒙的なものであるから、無用な先入見にわず …
読書目安時間:約7時間10分
ここに編纂したものは、必ずしも研究論文ではない。と共に一時的な時評でもない。私は、時代の評論とでも云うべきだと考える。大体から云うと、ごく啓蒙的なものであるから、無用な先入見にわず …
一九三七年を送る日本(新字新仮名)
読書目安時間:約23分
個人に公的生活と私生活とがあるように、社会全体にも云わば公的生活と私的生活との区別がある。別に社会の裏面があるということではない、社会の内心の生活があるという意味だ。どっちの生活も …
読書目安時間:約23分
個人に公的生活と私生活とがあるように、社会全体にも云わば公的生活と私的生活との区別がある。別に社会の裏面があるということではない、社会の内心の生活があるという意味だ。どっちの生活も …
戦争ジャーナリスト論(新字新仮名)
読書目安時間:約18分
戦争が社会の政治的常軌を通行遮断し、典型的な非常状態に置くものであることは、今更改めて言うまでもない。このことは近代的戦争に於ても、古来の又旧来の戦争と較べて、以上でも、以下でもな …
読書目安時間:約18分
戦争が社会の政治的常軌を通行遮断し、典型的な非常状態に置くものであることは、今更改めて言うまでもない。このことは近代的戦争に於ても、古来の又旧来の戦争と較べて、以上でも、以下でもな …
デカルトと引用精神(新字新仮名)
読書目安時間:約7分
古くダンテがイタリア語の父であるとされ、又降ってルターがドイツ語の完成者と云われるように、ルネ・デカルトはフランス語の恩人とされている。ダンテの『神曲』、ルターの『新約聖書』の翻訳 …
読書目安時間:約7分
古くダンテがイタリア語の父であるとされ、又降ってルターがドイツ語の完成者と云われるように、ルネ・デカルトはフランス語の恩人とされている。ダンテの『神曲』、ルターの『新約聖書』の翻訳 …
哲学の現代的意義(新字新仮名)
読書目安時間:約46分
文学に於ける思想性云々ということがよく云われている。文学に就いての文壇的常識のマンネリズムによると文学は思想という何らか或るものとはさし当り無関係であるかのような想定であったとみて …
読書目安時間:約46分
文学に於ける思想性云々ということがよく云われている。文学に就いての文壇的常識のマンネリズムによると文学は思想という何らか或るものとはさし当り無関係であるかのような想定であったとみて …
道徳の観念(新字新仮名)
読書目安時間:約2時間23分
第一章道徳に関する通俗常識的観念 道徳の問題を持ち出す際、いつも邪魔になるものは、道徳に関する世間の通俗常識である。ここで通俗常識というのは、常識があるとか常識がないとかいう、ああ …
読書目安時間:約2時間23分
第一章道徳に関する通俗常識的観念 道徳の問題を持ち出す際、いつも邪魔になるものは、道徳に関する世間の通俗常識である。ここで通俗常識というのは、常識があるとか常識がないとかいう、ああ …
読書法(新字新仮名)
読書目安時間:約4時間19分
読書法 序に代えて Ⅰ「読書法日記」 1読書の自由 2譬喩の権限 3耕作農民の小説 4「文化的自由主義者」としてのA・ジード 5宮本顕治の唯物論的感覚 6コンツェルン論の「結論」 …
読書目安時間:約4時間19分
読書法 序に代えて Ⅰ「読書法日記」 1読書の自由 2譬喩の権限 3耕作農民の小説 4「文化的自由主義者」としてのA・ジード 5宮本顕治の唯物論的感覚 6コンツェルン論の「結論」 …
日本イデオロギー論:――現代日本に於ける日本主義・ファシズム・自由主義・思想の批判(新字新仮名)
読書目安時間:約8時間46分
この書物で私は、現代日本の日本主義と自由主義とを、様々の視角から、併し終局に於て唯物論の観点から、検討しようと企てた。この論述に『日本イデオロギー論』という名をつけたのは、マルクス …
読書目安時間:約8時間46分
この書物で私は、現代日本の日本主義と自由主義とを、様々の視角から、併し終局に於て唯物論の観点から、検討しようと企てた。この論述に『日本イデオロギー論』という名をつけたのは、マルクス …
日本の頭脳調べ:――特に自然科学者に就て――(新字新仮名)
読書目安時間:約21分
文化勲章受領者の九氏については、誰と云って文句のつくべき人はないだろう。自然科学者の本多光太郎、長岡半太郎、木村栄の三氏は国際的な大科学者であり、夫々斯界の長老であり、そして現役の …
読書目安時間:約21分
文化勲章受領者の九氏については、誰と云って文句のつくべき人はないだろう。自然科学者の本多光太郎、長岡半太郎、木村栄の三氏は国際的な大科学者であり、夫々斯界の長老であり、そして現役の …
日本の民衆と「日本的なるもの」(新字新仮名)
読書目安時間:約18分
文壇と一部の評論壇では、一口で云うと「日本的なるもの」の検討が風をなしている。私がこう口を切ると、そら公式主義者が「日本的なるもの」にケチをつけようとするものだ、と推量する周章者も …
読書目安時間:約18分
文壇と一部の評論壇では、一口で云うと「日本的なるもの」の検討が風をなしている。私がこう口を切ると、そら公式主義者が「日本的なるもの」にケチをつけようとするものだ、と推量する周章者も …
日本文化の特殊性(新字新仮名)
読書目安時間:約19分
文化の混乱や思想の混乱が日本で叫ばれ始めたのは、しばらく前からである。日本に於ける科学的社会主義の思潮の生長以来である。日本の思想や文化を混乱と感じた者は、その際自分自身混乱に陷っ …
読書目安時間:約19分
文化の混乱や思想の混乱が日本で叫ばれ始めたのは、しばらく前からである。日本に於ける科学的社会主義の思潮の生長以来である。日本の思想や文化を混乱と感じた者は、その際自分自身混乱に陷っ …
認識論としての文芸学(新字新仮名)
読書目安時間:約19分
文芸学の対象は云うまでもなく文芸である。尤も従来の日本語の習慣によると、文芸は又文学とも呼ばれている。文学という言葉は通俗語として、又文壇的方言として、特別なニュアンスを有って来て …
読書目安時間:約19分
文芸学の対象は云うまでもなく文芸である。尤も従来の日本語の習慣によると、文芸は又文学とも呼ばれている。文学という言葉は通俗語として、又文壇的方言として、特別なニュアンスを有って来て …
認識論とは何か(新字新仮名)
読書目安時間:約1時間57分
認識という言葉は今日では、殆んど完全に日常語となっている。元来日本の哲学用語は、大部分欧米語からの直訳であり、そうでなければ支那語又は支那語訳のサンスクリットからの借用である。後者 …
読書目安時間:約1時間57分
認識という言葉は今日では、殆んど完全に日常語となっている。元来日本の哲学用語は、大部分欧米語からの直訳であり、そうでなければ支那語又は支那語訳のサンスクリットからの借用である。後者 …
範疇としての空間に就いて:――之は一つの習作である――(新字新仮名)
読書目安時間:約1時間30分
先ず範疇に就いて一般的に考えて見ることが必要であると思う。範疇は云うまでもなく哲学の根本的な問題であり又終局的な課題でもあるであろう。古典的な起源と複雑な歴史的変遷とに加えて、現在 …
読書目安時間:約1時間30分
先ず範疇に就いて一般的に考えて見ることが必要であると思う。範疇は云うまでもなく哲学の根本的な問題であり又終局的な課題でもあるであろう。古典的な起源と複雑な歴史的変遷とに加えて、現在 …
範疇の発生学(新字新仮名)
読書目安時間:約7分
我国の暫く前までの学界情勢では、カント流の範疇が範疇の代表者と考えられていた。それはアリストテレスの判断表から、そしてアリストテレスの判断表は文法から、引きだされたものだといわれて …
読書目安時間:約7分
我国の暫く前までの学界情勢では、カント流の範疇が範疇の代表者と考えられていた。それはアリストテレスの判断表から、そしてアリストテレスの判断表は文法から、引きだされたものだといわれて …
ひと吾を公式主義者と呼ぶ(新字新仮名)
読書目安時間:約18分
東大数学科の教授である竹内端三博士は私にとって一種の恩師である。先生が八高から一高の教授に転任して来て最初に数学を受け持ったクラスの一つが、私のクラスであった。私は先生に微積分のご …
読書目安時間:約18分
東大数学科の教授である竹内端三博士は私にとって一種の恩師である。先生が八高から一高の教授に転任して来て最初に数学を受け持ったクラスの一つが、私のクラスであった。私は先生に微積分のご …
再び科学的精神について:(「最近日本の科学論」続編)――教学に対して――(新字新仮名)
読書目安時間:約24分
私はまえに「科学的精神とは何か」という文章を書いた。之は決して科学的精神全般について述べたものではなかったが、又決してその瑣末な一部分について述べたものでもなかった。そこに論じた事 …
読書目安時間:約24分
私はまえに「科学的精神とは何か」という文章を書いた。之は決して科学的精神全般について述べたものではなかったが、又決してその瑣末な一部分について述べたものでもなかった。そこに論じた事 …
再び「科学の歴史的社会的制約」に就いて:――岡邦雄氏に答える――(新字新仮名)
読書目安時間:約14分
『東洋学芸雑誌』一月号で発表した私の文章、「科学の歴史的社会的制約」に対して岡邦雄氏は、本誌二月号に於て至極公明な態度を以て、批判を下した。氏は可なり根本的な点で、私が述べたいと欲 …
読書目安時間:約14分
『東洋学芸雑誌』一月号で発表した私の文章、「科学の歴史的社会的制約」に対して岡邦雄氏は、本誌二月号に於て至極公明な態度を以て、批判を下した。氏は可なり根本的な点で、私が述べたいと欲 …
物理的空間の成立まで:(カントの空間論)(新字新仮名)
読書目安時間:約1時間2分
私はカントから出発する。併しカントの空間論に用いられる概念の間の関係は決して明晰ではない。之を予め纏めて見たいと思う。第一批判の「空間概念の形而上学的吟味」によれば空間は経験的概念 …
読書目安時間:約1時間2分
私はカントから出発する。併しカントの空間論に用いられる概念の間の関係は決して明晰ではない。之を予め纏めて見たいと思う。第一批判の「空間概念の形而上学的吟味」によれば空間は経験的概念 …
〔付〕唯物論研究に就て(戸坂潤手記)(新字新仮名)
読書目安時間:約19分
(付記)本篇は唯物論研究会の中心人物たる戸坂潤が書いて東京地方裁判所検事局に提出したものである。本篇の内容中日本共産党と同研究会との関係等重要部分に於て嘗てこの「思想月報」第一号に …
読書目安時間:約19分
(付記)本篇は唯物論研究会の中心人物たる戸坂潤が書いて東京地方裁判所検事局に提出したものである。本篇の内容中日本共産党と同研究会との関係等重要部分に於て嘗てこの「思想月報」第一号に …
文芸評論の方法について(新字新仮名)
読書目安時間:約16分
今日の日本の文芸批評の姿には、見渡したところ二群のものを区別出来るようである。一つは作家による文芸批評であり、も一つは評論家による文芸批評である。尤もこう云っただけですでに、多分の …
読書目安時間:約16分
今日の日本の文芸批評の姿には、見渡したところ二群のものを区別出来るようである。一つは作家による文芸批評であり、も一つは評論家による文芸批評である。尤もこう云っただけですでに、多分の …
『唯研ニュース』(新字新仮名)
読書目安時間:約35分
会員の待望によって、『唯研ニュース』が創刊される運びになった。会員諸氏は多分之を喜んで呉れるだろう。然し或細心な会員達の内には、同時に財政上の困難が心配になると云う人がいるかも知れ …
読書目安時間:約35分
会員の待望によって、『唯研ニュース』が創刊される運びになった。会員諸氏は多分之を喜んで呉れるだろう。然し或細心な会員達の内には、同時に財政上の困難が心配になると云う人がいるかも知れ …
唯物論とファッシズム(新字新仮名)
読書目安時間:約2分
今日の日本の反動形態は、総てが日本型ファッシズムに集中していると見做すことが出来る。日本のファッシズムがイタリヤやドイツ、オーストリアのファッシズムと同じ現象上の規定を持っていない …
読書目安時間:約2分
今日の日本の反動形態は、総てが日本型ファッシズムに集中していると見做すことが出来る。日本のファッシズムがイタリヤやドイツ、オーストリアのファッシズムと同じ現象上の規定を持っていない …
友情に関係あるエッセイ(新字新仮名)
読書目安時間:約17分
二年間あまり、世間から隔離されている間に、世間は全く変って了った。久し振りに会う友人達は、どうだ世の中は変ったろう、と得意そうに私をながめる。私は、いや思ったほど変ってはいない、と …
読書目安時間:約17分
二年間あまり、世間から隔離されている間に、世間は全く変って了った。久し振りに会う友人達は、どうだ世の中は変ったろう、と得意そうに私をながめる。私は、いや思ったほど変ってはいない、と …
私の見た大学(新字新仮名)
読書目安時間:約4分
私小説というものがあって、その評判は好悪相半ばしているようだが、それは私という自分であるものにしか判らない小説、自分だけが面白がるための小説、を意味する心算ではないらしい。それで私 …
読書目安時間:約4分
私小説というものがあって、その評判は好悪相半ばしているようだが、それは私という自分であるものにしか判らない小説、自分だけが面白がるための小説、を意味する心算ではないらしい。それで私 …
“戸坂潤”について
戸坂 潤(とさか じゅん、1900年9月27日 - 1945年8月9日)は、日本の哲学者。
(出典:Wikipedia)
(出典:Wikipedia)
“戸坂潤”と年代が近い著者
今月で没後X十年
今年で生誕X百年
今年で没後X百年
ジェーン・テーラー(没後200年)
山村暮鳥(没後100年)
黒田清輝(没後100年)
アナトール・フランス(没後100年)
原勝郎(没後100年)
フランシス・ホジソン・エリザ・バーネット(没後100年)
郡虎彦(没後100年)
フランツ・カフカ(没後100年)