“しちん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:シチン
語句割合
七糸25.0%
指陳25.0%
滓沈25.0%
繻珍25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
貴族院議員の愛娘まなむすめとて、最も不器量ふきりようきはめて遺憾いかんなしと見えたるが、最も綺羅きらを飾りて、その起肩いかりがた紋御召もんおめし三枚襲さんまいがさねかつぎて、帯は紫根しこん七糸しちん百合ゆり折枝をりえだ縒金よりきん盛上もりあげにしたる
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
帯は海松みる色地に装束しようぞく切摸きれうつし色紙散しきしちらし七糸しちんを高く負ひたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
日本男子中島端ト書ス。懐中ノ楮墨ちょぼくヲ探リテ予ト筆談ス。東亜ノ情勢ヲ指陳しちんシテ、傾刻十余紙ヲ尽ス。予洒然せんぜんトシテ之ヲ敬ス。
斗南先生 (新字新仮名) / 中島敦(著)
就中なかんずく欧米列強の東亜侵略の勢を指陳しちんして
斗南先生 (新字新仮名) / 中島敦(著)
鰻の筋とはどんなものだか、それから四十年を経過した今日に到ってもいまだに解し得ない深い謎として私の胸中に滓沈しちんされている。
惜別 (新字新仮名) / 太宰治(著)
あるとき、多計代が座敷のまんなかに坐って泣きながら、お父様って何て残酷なひとだろう! とおかっぱにつけまげをして、綿繻珍しちんの帯を貝の口にしめている少女の伸子に云った。
道標 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)