“洒然”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しゃぜん73.9%
さっぱり8.7%
けろり4.3%
さつぱり4.3%
しやぜん4.3%
せんぜん4.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ああいう敏捷びんしょうな女だから、かえってこっちの裏をかいて、明々あかあか町家ちょうかの灯が往来を照らしている中を、洒然しゃぜんとあるいているかも知れない。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
洒然さっぱりとした門の戸は固くとざされて、竹垣の根には優しい露草の花が咲いている。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
わたしもどりましたからは御心配ごしんぱいなくお就蓐やすみくだされと洒然さつぱりといひてとなりつまかへしやり、一人ひとりさびしく洋燈らんぷあかりに烟草たばこひて、忌々いま/\しき土産みやげをりねづみべよとこぐなはのまゝ勝手元かつてもと投出なげいだ
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
二更、三更にして猶且とゞめざるなり、往々にして五更に至る。時に洒然しやぜんたる一老婦人あり室に入り来り少年を叱して去らしむ。老人顧みて笑ふ。当時会話の光景蓋し斯の如し。
頼襄を論ず (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
日本男子中島端ト書ス。懐中ノ楮墨ちょぼくヲ探リテ予ト筆談ス。東亜ノ情勢ヲ指陳しちんシテ、傾刻十余紙ヲ尽ス。予洒然せんぜんトシテ之ヲ敬ス。
斗南先生 (新字新仮名) / 中島敦(著)