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洒然
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しゃぜん
ふりがな文庫
“
洒然
(
しゃぜん
)” の例文
ああいう
敏捷
(
びんしょう
)
な女だから、かえってこっちの裏をかいて、
明々
(
あかあか
)
と
町家
(
ちょうか
)
の灯が往来を照らしている中を、
洒然
(
しゃぜん
)
とあるいているかも知れない。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
三下
(
みくだ
)
り
半
(
はん
)
を請求する方もその覚悟、やる方もその
了見
(
りょうけん
)
だから双方共
洒然
(
しゃぜん
)
として形式のために
煩
(
わずら
)
わされないのであります。
創作家の態度
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
皮肉といおうか、これも偶然といおうか、火と、炭と、お粥とを持って来たものは、約束のお雪ちゃんではなくて、
洒然
(
しゃぜん
)
たる北原賢次でありました。
大菩薩峠:27 鈴慕の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
おどろくかと思いのほかに謎の番頭は、にたりと意味ありげな微笑をのこすと、
洒然
(
しゃぜん
)
としてかつぎ去りました。
旗本退屈男:07 第七話 仙台に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
洒然
(
しゃぜん
)
たるものがあるのである。
柳宗悦氏の筆蹟を通じその人を見る:――名論の逆を行く氏の書――
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
▼ もっと見る
闇太郎は
洒然
(
しゃぜん
)
としていったが
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
洒然
(
しゃぜん
)
として城主は云い切った。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
官兵衛もまた
洒然
(
しゃぜん
)
と黙りこくっているので、ついに主人小寺
政職
(
まさもと
)
の一族小川三河守までが、肚にすえかねたような面色をもっていい出した。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
諂諛
(
てんゆ
)
の者とが得てして行いがちの、
狡猾
(
こうかつ
)
な、細心な、そのくせ、妙に
洒然
(
しゃぜん
)
として打解けたような物ごしで、膝の傍へ寄って来たが、刀の
鞘
(
さや
)
の方から遠廻りをして、腰へ近づいたかと思うと、いきなり
大菩薩峠:27 鈴慕の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
父はそう云ったなり
洒然
(
しゃぜん
)
としていた。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
だが、
往来
(
ゆきき
)
の旅人や馬子や荷もちの人足などは、その
華奢
(
きゃしゃ
)
にして
洒然
(
しゃぜん
)
たる道中ぶりに眼をうばわれ
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
竜之助は寝返りも打たないで、
洒然
(
しゃぜん
)
としてこう言ってのけました。
大菩薩峠:18 安房の国の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
日吉は、そこへ顔を向けたが、また、一同の上へ眼を移して、
洒然
(
しゃぜん
)
といった。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
武者修行の武士は、
洒然
(
しゃぜん
)
としてそれを聞き流し
大菩薩峠:25 みちりやの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「されば至極、
洒然
(
しゃぜん
)
として、長浜においでの由でございます」
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
猿は、
洒然
(
しゃぜん
)
として自分でそういうのである。
茶漬三略
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、三平も至って
洒然
(
しゃぜん
)
としたものであった。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
洒然
(
しゃぜん
)
として、
賞
(
ほ
)
め立てた。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
洒
漢検1級
部首:⽔
9画
然
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
“洒”で始まる語句
洒落
洒脱
洒落者
洒々
洒
洒落本
洒落気
洒々落々
洒蛙洒蛙
洒堂