“さっぱり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
薩張34.4%
瀟洒18.8%
淡泊12.5%
全然6.3%
洒然6.3%
快活3.1%
決徹3.1%
洒瀟3.1%
淡白3.1%
爽快3.1%
爽然3.1%
颯爽3.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
多分是を渡るであろう。もう話声も聞えぬ。何国どこで話ていたか、薩張さっぱり聴分られなかったが、耳さえ今は遠くなったか。
左へ曲ると瀟洒さっぱりとした西洋間、そこに案内されて、しばらくお茶と煙草たばこと雑談に興じた五人の客は、やがて屏風開びょうぶびらきになった境の扉を開けて、隣の食堂に案内されました。
「しかしこんな稼業の者にはめずらしい正直な淡泊さっぱりした江戸児風の男で、御用をかさに着て弱い者をいじめるなどという悪い噂はかつて聞いたことがなかった。彼は誰に対しても親切な男であった」
半七雑感 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「や、太郎さんか、よく来たね。もう全然さっぱりいかね。うむ、其は好かった」
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
ある夏土用の日盛ひざかりの事……生平きびらの揚羽蝶の漆紋に、はかま着用、大刀がわりの杖を片手に、芝居の意休を一ゆがきして洒然さっぱり灰汁あくを抜いたような、白いひげを、さわやかしごきながら、これ、はじめての見参。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
源太はなおも考えにひとり沈みて日ごろの快活さっぱりとした調子に似もやらず、ろくろくお吉に口さえきかで思案に思案を凝らせしが、ああわかったとひとごとするかと思えば、愍然ふびんなと溜息つき
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
トまた引懸りが有る、まだ決徹さっぱりしない。文三周章あわててブルブルと首を振ッて見たが、それでもだ散りそうにもしない。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
あの人のはツクルと不可いけない洒瀟さっぱりとした平素ふだん服装なりの方が可い。縮緬ちりめんの三枚重かなんかでった写真を見たが、腰から下なぞは見られたものじゃなかった。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「だってようよ七月ななつきですもの。私顔も見ませんでしたよ。淡白さっぱりしたもんです」
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「どうだい、心持は。もう爽快さっぱりしたろう。」
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
の外になると、もう自分でも足のたしかなのが分って、両側のそちこちに、白い金盥かなだらい昇汞水しょうこうすいの薄桃色なのが、飛々の柱燈はしらあかりに見えるのを、気の毒らしく思うほど、気も爽然さっぱりして、通り過ぎた。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
打ち明けた私の心持をいうと、こうした御礼を受けるより受けない時の方がよほど颯爽さっぱりしていた。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)