“淡白”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たんぱく27.3%
きさく21.2%
あつさり15.2%
うすじろ9.1%
あっさり6.1%
あはじろ6.1%
さつぱり6.1%
あッさり3.0%
うすしろ3.0%
さっぱり3.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そこで彼はニヤニヤと笑うと、扉の前を淡白たんぱくに離れ、廊下の上をコトコトと駈け出していった。そして何処かに、姿は見えなくなった。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
かと思へば、些細の事にも其齒を露出むきだしにして淡白きさくらしく笑ふ。よく物を言ふ眼が間斷なく働いて、解けば手に餘る程の髮は黒い。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
其處そこでお料理れうりが、もづくと、冷豆府ひややつこ、これはめる。さかづき次第しだいにめぐりつゝ、いや、これは淡白あつさりしてい。さけいよ/\たけなはに、いや、まことにてもすゞしい。
九九九会小記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
波は漾々ようようとして遠くけむり、月はおぼろに一湾の真砂まさごを照して、空もみぎは淡白うすじろき中に、立尽せる二人の姿は墨のしたたりたるやうの影を作れり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
淡白あっさりしたのといろいろの店があって、味のちがうのを知っているが、考えるなら粉末とし、加工し、精を抜いて、もっと、種々の製品が出来るにちがい無い。
大阪を歩く (新字新仮名) / 直木三十五(著)
淡白あはじろ吹上ふきあげの水のごと、空へ走りぬ。
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
「まあ、奇麗な! 木槿もくげさかりですこと。白ばかりも淡白さつぱりしていぢやありませんか」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「そうですね、淡白あッさりしていて。赤いのはなぜおきらい?」
初恋 (新字新仮名) / 矢崎嵯峨の舎(著)
ばたばたと団扇うちわを使いながら、いつまでも寝つかれずにいるお銀の淡白うすしろい顔や手が、暗いなかに動いて見えた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「だってようよ七月ななつきですもの。私顔も見ませんでしたよ。淡白さっぱりしたもんです」
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)