トップ
>
淡白
>
うすじろ
ふりがな文庫
“
淡白
(
うすじろ
)” の例文
波は
漾々
(
ようよう
)
として遠く
烟
(
けむ
)
り、月は
朧
(
おぼろ
)
に一湾の
真砂
(
まさご
)
を照して、空も
汀
(
みぎは
)
も
淡白
(
うすじろ
)
き中に、立尽せる二人の姿は墨の
滴
(
したた
)
りたるやうの影を作れり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
その淡墨と濃墨との接する処は極めて
無造作
(
むぞうさ
)
であつて、近よつてこれを見ると何とも
合点
(
がてん
)
のゆかぬほどであるが、少し遠ざかつて見ると背中の
淡白
(
うすじろ
)
い処が
朦朧
(
もうろう
)
として面白く見える。
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
淡白
(
うすじろ
)
い空に黒い輪郭を画している寺の屋根。その上方に
虹
(
にじ
)
のような輪をかぶった黄色な月がかかっている。通用門の両側には
提灯
(
ちょうちん
)
を持った僧二人立ちいる。舞台月光にてほの暗し。
出家とその弟子
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
その
淡白
(
うすじろ
)
き
唇
(
くちびる
)
を
啖裂
(
くひさ
)
かんとすばかりに
咬
(
か
)
みて咬みて
止
(
や
)
まざりき。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
“淡白”の意味
《名詞》
「淡泊」の別表記。
(出典:Wiktionary)
淡
常用漢字
中学
部首:⽔
11画
白
常用漢字
小1
部首:⽩
5画
“淡白”で始まる語句
淡白者