“漾々”の読み方と例文
読み方割合
ようよう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
波は漾々ようようとして遠くけむり、月はおぼろに一湾の真砂まさごを照して、空もみぎは淡白うすじろき中に、立尽せる二人の姿は墨のしたたりたるやうの影を作れり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
彼はその中へ飛び込んで、恍惚として泳ぎ、漾々ようようとして波のまにまにただよい、そして嵐の中に全く沈んでしまうことができる。
神童 (新字新仮名) / パウル・トーマス・マン(著)
渠はひしとわが身をいだきて、松の幹に打ち当てつ。ふとかたわらを見れば、漾々ようようたる霞が池は、霜の置きたるように微黯ほのぐらき月影を宿せり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)