“ようよう”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヨウヨウ
語句割合
漸々45.5%
揚々11.1%
妖々7.1%
漾々5.1%
揺々4.0%
洋々4.0%
瑤々3.0%
雍容3.0%
杳々2.0%
溶々2.0%
(他:13)13.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
であるから近頃に至って漸々ようよう運動の功能を吹聴ふいちょうしたり、海水浴の利益を喋々ちょうちょうして大発明のように考えるのである。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
日本の文芸批評は、十年ほど前に鑑賞批評、印象批評から発展して、漸々ようよう社会的文学的にある客観的な意義をもった評価を試る段階にまで達した。
左様そうすればとっくり寝物語にしてやろうと漸々ようようだましてわっちは一足先へ来たが、もう今に彼奴あいつめ来るにちげえねえ
一尾のふなもつれないときには町で魚を買ってそのあぎとをはりにつらぬき揚々ようようとして肩に荷うて帰る、ときにはあじ、ときにはいわし、時にはたこ
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
桃太郎は意気揚々ようようと鬼が島征伐ののぼった。すると大きい野良犬のらいぬが一匹、えた眼を光らせながら、こう桃太郎へ声をかけた。
桃太郎 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ゾパルは新知識の所有者を以てみずから任じ、新説の提唱をなすが如く思いて意気揚々ようようとして舌をふるう、これに対してヨブは右の如く答えるのである。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
ジャカジャカチンチンと下座のおはやしが始まるといっしょに、嫣然えんぜんとして右門主従三名のほうへびの笑いを投げかけながら、妖々ようようとそこに競い咲くごとく姿を見せた者は
針です! 針です! ぶきみに妖々ようようぎすまされた長い針なのです。
藤の根に猫蛇びょうだ相搏あいう妖々ようよう
五百句 (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)
渠はひしとわが身をいだきて、松の幹に打ち当てつ。ふとかたわらを見れば、漾々ようようたる霞が池は、霜の置きたるように微黯ほのぐらき月影を宿せり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
彼はその中へ飛び込んで、恍惚として泳ぎ、漾々ようようとして波のまにまにただよい、そして嵐の中に全く沈んでしまうことができる。
神童 (新字新仮名) / パウル・トーマス・マン(著)
そうしてその薄明の漾々ようようと動いている中を、真紅の旗が燃えている有様を、ああその色を、私はめそめそ泣きながら、死んでも忘れまいと思ったら、トカトントンと遠く幽かに聞えて
トカトントン (新字新仮名) / 太宰治(著)
「迅くッ。迅く!」と、舷へ寄せた一小艇は、焔の下から絶叫する。揺々ようようたる大波はえ立ち、真っ赤な熱風はその舟も人も、またたく間に焼こうとする。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
董卓は早くも車駕を命じ、珠簾しゅれん宝台ほうだいに貂蝉を抱き乗せ、扈従こじゅうの兵馬一万に前後を守らせ、郿塢びうの仙境をさして、揺々ようようと発してしまった。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
自ら太政相国だいじょうしょうこくと称し、宮門の出入には、金花の車蓋しゃがいに万珠のれんを垂れこめ、轣音れきおん揺々ようようと、行装の綺羅きらと勢威を内外に誇り示した。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かれが、またハーモニカで、インターナショナルをうたったときには、洋々ようようたる海原うなばら前面ぜんめんがりました。
風はささやく (新字新仮名) / 小川未明(著)
その綜合的美観はその位置と丘陵の高さとが、明らかにして洋々ようようたる河川の大景たいけい相俟あいまって、よく調和して映照えいしょうしているにある。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
彼等の過去は、彼船と共に夢と消ゆる共、彼等の現在は荒寥こうりょうであるとも、彼等は洋々ようようたる未来を代表して居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
献帝は、玉歩ぎょくほを運んで宣平門へ上がった。血に酔って、いていた城下の狂軍は、禁門の楼台に瑤々ようようかざされた天子の黄蓋こうがいにやがて気づいて、
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
瑤々ようようたる波騒なみざいのかすかに立つところ、見ゆるが如くまた見えぬようでもある。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
瑤々ようようれんをゆるがしてゆく貴人のくるまがある。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
然し此所迄ここまで引っ張ってぴんとさせなくっちゃ駄目だよと云うに至っては、緊張の趣は解して居るが雍容ようようの味は解し得ない人だと云われても仕方がない。
高浜虚子著『鶏頭』序 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
彼が言う所、何ぞそれ雍容ようよう悠長なる。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
雍容ようよう 儒雅じゅが
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
かつて知らなかった男の杳々ようようとした思いが、どんなに私をなみだっぽくかなしくした事であろう。
清貧の書 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
その上方に日本アルプスの北部が杳々ようようとして最後の背景をなしている、また兎、中、駒、八海、荒沢、大鳥岳の連嶺は数十条の残雪を有していて、蒲原かんばらの平野も日本海も脚下に開展している、快晴の日には佐渡も富土山も認めることが出来るそうである
平ヶ岳登攀記 (新字新仮名) / 高頭仁兵衛(著)
静粛の方がどれだけりっぱかしれないという溶々ようよう大海のごとき寛濶かんかつな気持ちが全身にみなぎった。
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
大河の溶々ようようは無い。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
青か赤かむらさきか? なんとも見定みさだめのつかない火の色、燿々ようようとめぐる火焔車かえんぐるまのように、虚空に円をえがいてけだしてきた!
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
髪の毛の一すじ一すじがみな泣きふるえた。欄を濡らしている涙の下は、元日の明るい陽を燿々ようようと乗せて、無限の希望へかがやいて行く若水わかみずのせせらぎであったが。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
するとやがて、耀々ようようとした夕がすみのなかから、あまたの青竹と杉丸太すぎまるたをつんだ車が、ガラガラと竹童ちくどうのそばを通りぬけた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
実際今の万吉は、春の鳥のように軽快だ、前途に耀々ようようたる曙光しょこうがある。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
二十九年と七カ月の歳月としつきを費やし遥々ようよう万里の波濤はとうを越えて漂着したこの一個の函をめぐって、今や世界学者の論争は白熱化しているということが
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
朝のもやがすっかり晴れて、雲雀ひばりは高く舞い、林から畑、畑から遠く農家の屋根、それから木々の絶え間には、試合のあった御岳山あたりの山々が、いま眠りからめたように遥々ようようとして見え渡ります。
桃之ももの夭々ようよう、其葉蓁々しんしん、桃の節句は昔から婚嫁こんかの季節だ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
女の体をんでしまった大川おおかわの水は、何のこだわりもないようにぼかされた月の光の下を溶溶ようようとして流れた。
水魔 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
前には刀禰とねの大河が溶漾ようようと流れていた。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
と、その雲鬂花顔うんびんかがんに、一万金の愛想笑あいそえみをこぼして、金簪きんさん瑶々ようようと立って行った。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
やがて船が出る。かなりおおきな船だ。蓆帆むしろぼに風が鳴り、揚子江の黄いろい水が、瑶々ようようとそのふなべりを洗い、見るまに、手をうち振る江岸の人々も街も小さくうすれ去った。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いや、それは代は払ってもいが、能く積っても見なんし、どう考えてもいやに釣られて、小峯が来るか/\と思って、長い間時間を費し、それ/″\要用ようようのある身の上、どう云う理由わけか我々どもを人力車夫くるまや同様に取扱われては迷惑だから
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ついに「大雅思斉たいがしせい」の章の「刑干寡妻かさいをただし至干兄弟けいていにいたり以御干家邦もってかほうをぎょす」を引いて、宗右衛門が雝々ようようの和を破るのを責め、声色せいしょく共にはげしかった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
あの颺々ようようとして芸術三昧ざんまいに飛揚してせた親友の、音楽が済み去ったあとで余情だけは残るもののその木地きじは実は空間であると同じような妙味のある片付き方で終った。
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)