“ぜんぜん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
漸々58.1%
全然20.9%
冉々7.0%
前々4.7%
蠕々4.7%
全々2.3%
喘々2.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それは地中にある球根(学術上では鱗茎りんけいと呼ばれる)が、漸々ぜんぜんに分裂して多くの仔苗しびょうを作るからである。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
すなわちいかなる順序に意識を連続させようか、またいかなる意識の内容を選ぼうか、理想はこの二つになって漸々ぜんぜんと発展する。
文芸の哲学的基礎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
だまつてをんな凝視ぎようししてゐたをとこは、まへとは全然ぜんぜんちがつたやさしさでいつた。
彼女こゝに眠る (旧字旧仮名) / 若杉鳥子(著)
でもわたくしとしては、全然ぜんぜんそうったいやらしい祈願きがんにはかかりわないことにしてります。
翌日細君がひつぎにとりすがって泣いていると、朱が冉々ぜんぜんとして外から入って来た。
陸判 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「そんな事をすると、せっかくの清戯せいぎ俗了ぞくりょうしてしまう。かけなどで勝負に心を奪われては面白くない。成敗せいはいを度外において、白雲の自然にしゅうを出でて冉々ぜんぜんたるごとき心持ちで一局を了してこそ、個中こちゅうあじわいはわかるものだよ」
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
てまいはただ目が暗んでしまいましたが、前々ぜんぜんより、ふとお見上げ申したものの言うのでは、桔梗の池のお姿は、まゆをおとしていらっしゃりまするそうで……
眉かくしの霊 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と申すのには、少し又仔細しさいが御座いますので。それは、主人の家内のめひに当ります者が、内に引取つて御座いまして、これを私にめあはせやうと云ふ意衷つもりで、前々ぜんぜんからその話は有りましたので御座いますが、どうも私は気が向きませんもので、何と就かずに段々言延いひのばして御座いましたのを、決然いよいよどうかと云ふ手詰てづめはなし相成あひなりましたので。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
馬上遥かに山中の草木蠕々ぜんぜんとし動くを見る、疑いて地震と為す、馭者ぎょしゃいう、満山皆猴なり
その上に沃盥よくかんす、少頃しばし蠕々ぜんぜん長きがごとし、竅中きょうちゅう泉湧き、倏忽しゅっこつ自ずからわだかまる、一席のごとく黒気あり香煙のごとし
こちらにもいない……本当にいないんだ、全々ぜんぜん来ないそうだ、途中で?……むろん、逢わなかったさ……うん大変だよ、よしよし
白妖 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
幸か不幸か、待乳まつちの多市は、お十夜の妖刀に二ヵ所の傷を負わされながら、川長の者に救われてここに療治をうけ、今なお気息喘々ぜんぜん苦患くげんの枕に昏睡こんすいしている。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)