冉々ぜんぜん)” の例文
いわゆるニルヤりがありカナヤ望月もちづきが、冉々ぜんぜんとして東の水平を離れて行くのを見て、その行く先になお一つのよりとうとい霊地の有ることを認め
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
成敗せいはいを度外において、白雲の自然にしゅうを出でて冉々ぜんぜんたるごとき心持ちで一局を了してこそ、個中こちゅうあじわいはわかるものだよ
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
翌日細君がひつぎにとりすがって泣いていると、朱が冉々ぜんぜんとして外から入って来た。細君は懼れた。朱は言った。
陸判 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)