“岫”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しゅう40.0%
くき20.0%
しう20.0%
ほら6.7%
ほらあな6.7%
みね6.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
高山右近が固むるところの岩崎山のふところも、未だこれを知らぬかのように、白雲の帯はしゅうをとざして、山上山下をなおひそとしていた。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しら雲のくきを出づるおもむろなる静けさで横に移って行く。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
惜しげもなく投げ入れたる薪は盛に燃えあがりて、烟はしうを出づる雲の如く、のぼりて黒みたる仰塵てんじやうに至り、更に又出口を求めて室内をさまよへり。
靜かにほらに歸る見て
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
流れにヤマメがゐるとすると、イワナは流れの上の滝か、山と山のほらあなの水にゐる。そして竿と糸と鈎さへあれば、土蜘蛛でも、いなごでも、蝶々でも何でも挿してやればとびつく。
夏と魚 (新字旧仮名) / 佐藤惣之助(著)
飄然としてみねをいずる白雲のごとく東に漂い西に泊す。自然の美に酔いては宇宙に磅礴ほうはくたる悲哀を感得し、自然の寂寥に泣いては人の世の虚無を想い来世の華麗に憧憬す。
霊的本能主義 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)