“ぜん/\”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
前々35.0%
全然20.0%
冉々15.0%
漸々15.0%
漸〻10.0%
全々5.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
友「それはお村に惚れているので、前々ぜん/\から私をだまして百両を三百両にしてお村を取上げ、私は半分死んで居ります」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
人生じんせい解悟かいごむかつて自由じいうなるふか思想しさうと、おろかなるさわぎたいする全然ぜん/\輕蔑けいべつすなは人間にんげん以上いじやうのものを未甞いまだかつらぬ最大幸福さいだいかうふくです。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
女婢こしもとしりへつゞいて、こはいかに、掃帚はうきまたがり、ハツオウとつて前後ぜんごして冉々ぜん/\としてくものぼつて姿すがたかくす。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
吉田老母は洞谷の母であらう。「廿一日。陰雨いんう。柏子脳痛十八日来漸々ぜん/\緩和に赴く。」「三十一日。晴。吉田老母今日迄逗留之処、今夕より帰宅。」柏の病はえたのである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
また伎楽を奏して世に珍しき塔供養あるべき筈に支度とり/″\なりし最中、夜半の鐘の音の曇つて平日つねには似つかず耳にきたなく聞えしがそも/\、漸〻ぜん/\あやしき風吹き出して
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
右眼の視力は全々ぜん/\なくなってしまい、左の方もかすかな痛みがあって、視力に変りないけれど、至急に右眼を剔出しなければ両眼の明を失うと患者に宣告したのであります。
痴人の復讐 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)