“愈”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いよいよ53.7%
いよ/\14.9%
いよい10.4%
7.0%
なほ2.0%
いや2.0%
なお2.0%
まし1.5%
まさ1.5%
いえ1.0%
いよ1.0%
いやす0.5%
いと0.5%
いゆ0.5%
0.5%
やが0.5%
ヤス0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
教師いよいよ仏頂面をして曰、「それはお断り申します。先達もここの寄宿舎へは兵卒が五六人闖入ちんにゅうし、強姦事件を惹き起した後ですから」
雑信一束 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
其処そこへ和上の縁談が伝はつたので年寄としより仲間は皆眉をひそめたが、う云ふ運命まはりあはせであつたか、いよ/\呉服屋の娘の輿入こしいれがあると云ふ三日前みつかまへ
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
それにしても、文字もんじが彫ってあると云うのはすこぶる面白い問題で、文字もんじの解釈ができたら、𤢖の正体はいよいよ確実に判りましょう。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
そのやす事の出来ない、窮極のない係恋の盃に唇を当てた事のある流浪人が、どんな感じをするかといふのは、想像し易い事ではないか。
焼味噌のすこし黒焦くろこげに成つたやつを茶漬茶椀かなんかに入れて、そこへ熱湯にえゆ注込つぎこんで、二三杯もやつて見給へ。大抵の風邪はなほつてしまふよ。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
余は人間と生れしをたんぜり、もし愛情ちょうものの余に存せざりしならば余にこの落胆なかりしものを、ああ如何いかにしてこの傷をいやすを得んや。
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
生前黒死病人この尊者の名を呼べば必ずなおると上帝の免許あったというので、仏・伊・独・白・西・諸国にこれを奉ずる事盛んにその派の坊主多くあり
大学の学生ともあらうものが、この位の事が解らないやうでは、いつそ首でもくゝつた方がましだと思つたらしかつた。学者はそつと溜息をついた。
貫一が胸はますますくるしく成りまさりぬ。彼をおもひ、これを思ふに、生きて在るべき心地はせで、むしろかのあやしき夢の如く成りなんを、快からずやと疑へるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
そはもし衣にだにもさはらばいえんとおもへばなりイエスふりかへりをんなを見て曰けるはむすめよ心安かれ爾の信仰なんぢを愈せり即ち婦この時よりいゆ
忘れがたみ (新字新仮名) / 原民喜(著)
「おやおや、本当に銭のある人になればなるほど益々一文だって粗末にしないものだね、一文も粗末にしないからいよ々お金持になるってわけだ……」
故郷 (新字新仮名) / 魯迅(著)
樹の大なることしるべし。二里成瀬駅。(五十丁一里。)二里塚崎駅。一商家に休す。駅長の家の温泉に浴す。清潔にしてあぢはひ淡し。脚気、疝気をいやすといへり。三里(五十丁一里)嬉野うれしの駅。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
私が始終斯ういう感じにばかりつかっていて、実感で心を引締めなかったから、人間がだらけて、ふやけて、やくざがいとどやくざになったのは
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
そはもし衣にだにもさはらばいえんとおもへばなりイエスふりかへりをんなを見て曰けるはむすめよ心安かれ爾の信仰なんぢを愈せり即ち婦この時よりいゆ
忘れがたみ (新字新仮名) / 原民喜(著)
まことに彼はさも思へらんやうにいさみ、喜び、誇り、楽める色あり。彼のおもては為にふばかり無く輝ける程に、常にもして妖艶あでやかに見えぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
と、地面がずんずんふくれるように盛り上って来て、……やがてずしんと車輪が大地にバウンドした。
旅客機事件 (新字新仮名) / 大庭武年(著)
「御体ヤスからず大坐オホマしますによりて占へ求むるに、稲荷の社の樹を伐れる罪、祟りに出づと申す……」。「たゝりにいづ」と言ふ語と「ほにいづ」と言ふ語とには、輪郭には大した変りはない。