まさ)” の例文
貫一が胸はますますくるしく成りまさりぬ。彼をおもひ、これを思ふに、生きて在るべき心地はせで、むしろかのあやしき夢の如く成りなんを、快からずやと疑へるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
子、子貢にかたって曰く、汝回といずれかまされる。こたえて曰く、は何をえて回を望まん、回は一を聞いて以て十を知る、賜は一を聞いて以て二を知るのみ。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
夷官は必ず曰わん、日本は海国なり、陸道もて奔走すること、数百千里なれば、へいを費すこと甚だおおし、火輪船を用いるのまされりと為すに如かざるなりと。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
其節そのせつ御腹立おんはらだちも、罪ある身には元より覚悟の前とは申しながら、あまりとや本意無ほいな御別おんわかれに、いとど思はまささふらふて、帰りて後は頭痛つむりいたみ、胸裂むねさくるやうにて、夜の目も合はず、明る日よりは一層心地あし相成あひなり
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)