“怪”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
50.8%
あや26.6%
あやし14.5%
かい2.4%
けし1.7%
おか1.1%
くわい0.8%
ばけ0.7%
あやしみ0.3%
0.3%
をか0.3%
0.1%
もののけ0.1%
いぶ0.1%
0.1%
ばけもの0.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
——ところが斯んな苦痛が、実は僕もそんなに不愉快でもないところをみると、百合子の云ふあの二人よりも僕の方がしからん男かも知れないのだ。
女優 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
坂はかなり長いから、一番下にいたる時分には、梶をとることさへ出來なくなるであらう、今のうちに轉んでしまへば、我はするかも知れない。
坂道 (旧字旧仮名) / 新美南吉(著)
過去と云うあやしき物をおおえる戸帳とばりおのずと裂けてがん中の幽光ゆうこうを二十世紀の上に反射するものは倫敦塔である。
倫敦塔 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
一夜いちやめづらしく、よひうちから亭主ていしゆると、小屋こやすみくらがりに、あやしきこゑで、
鑑定 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
正面前の処へ、破筵やれむしろを三枚ばかり、じとじとしたのを敷込んだが、日に乾くか、あやしい陽炎となって、むらむらと立つ、それが舞台。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しかるに病院びょういんうちでは院長いんちょうアンドレイ、エヒミチが六号室ごうしつしきりかよしたのをあやしんで
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
なぜかさびしい所さびしい所とよって通るので、ほとんどすれ違う人もなく、ひっそりとした夜更けの往来を、たった一人で歩いている一寸法師の姿は、一層ようかいじみて見えた。
一寸法師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
首尾しゅびよく、わしぬすみのはなれわざをやりとげて、飛行天行ひこうてんこうかいをほしいままに、たちまちきたのは家康いえやす采地さいち浜松の城下。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「何だって私の居ないのに渡した、え何だって渡した。けしからんことだ」とわめきつつ抽斗の中を見ると革包が出ていてしかも口を開けたままである。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
園「是はしからん仰せにござります、長谷川町の番人に毒酒を与えましたなどと云うは毛頭覚えない事でございます、けしからんお尋ねを蒙るもので」
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「名前」が活動するんだから一層おかしい……彼は、すれ違つた汽車の中に、厭に取り済して乗つてゐる自分を、チラリと見るやうな想ひに打たれたりした。
鏡地獄 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
「これご覧なされい、拙者初対面からおかしい奴と睨んでおりましたが、あんじょう大月玄蕃の間諜まわしものでござった」
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
想ふに風雨一たび到らば、このわたりは群狗ぐんく吠ゆてふ鳴門なると(スキルラ)のくわいすみかなるべし。
家主あるじ壮夫わかもの三五人をともなひ来りて光る物をうつに石なり、皆もつてくわいとし石を竹林に捨つ、その石夜毎よごとに光りあり、村人おそれて夜行ものなし。
このばけもの、といったか、河童かっぱ、といったか、記してないが、「いでその手ぶし切落さんと、若き人、脇指わきざし、」……は無法である。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しつ!……これ丑滿時うしみつどきおもへ。ひとりわらひはばけものじみると、ひとりでたしなんでかたをすくめる。と、またしんとなる。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
其のあやしみを聞かうともせず、のあたりに車を廻すあからさまなおうなの形も、其のまゝき移すやうにむしろ彼方あなたへ、小さく遠くなつたやうな思ひがして
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
照らし浄むるは、いかなる火のあやしみぞ。8475
「ぢいさん/\大変なものが舞ひ込んだ。おけが来た。早く此処へ来て戸を閉めて下さい。私はこはくて、もう足も腰もかなはない。」とお婆さんは呶鳴どなりました。
竜宮の犬 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
内へけものが出た、来てくれせえ。
眉かくしの霊 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
虹の背後うしろが青く暗くてをかしいし
春と修羅 第二集 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
岩野泡鳴氏は厭になつて自分が捨てて逃げた清子夫人と哲学者の田中王堂氏とがをかしいといつて、態々わざ/\探偵までつけて二人の行動しうちを気をつけてゐたが、とうと辛抱出来ぬ節があつたと見えて、持前の癇癪玉かんしやくだまを破裂させた。
してその姿のしくも華奢はでやかに装いつるかな。
森の妖姫 (新字新仮名) / 小川未明(著)
木々の葉風のしく光る。
森の妖姫 (新字新仮名) / 小川未明(著)
幽霊がないと信じている自分がふと何かの調子で、「鬼気」を感ずる時、感ずる対象はどうしても、一種の「もののけ」である。
ばけものばなし (新字新仮名) / 岸田劉生(著)
これはちょっともののけの感じが出ている、『四谷怪談』中の唯一の怪味であろう。
ばけものばなし (新字新仮名) / 岸田劉生(著)
うかれ男 はていぶかしい男共をのこどもぢや。
南蛮寺門前 (新字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
「馬の大きさはけしからず候。男もけしからず大きく候。上方衆(日本軍のこと)もけしからずじ入り候也」とある。
碧蹄館の戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
わが国に古くミヅチなる水のばけものあり。