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怪
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けし
ふりがな文庫
“
怪
(
けし
)” の例文
千代 まあ、ほんまに夫れは
怪
(
けし
)
いことぢや。今年は何やら
可厭
(
いや
)
な年ぢや。出来秋ぢや、出来秋ぢやと云うて米は不作。
南蛮寺門前
(新字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
「何だって私の居ないのに渡した、え何だって渡した。
怪
(
けし
)
からんことだ」と
喚
(
わめ
)
きつつ抽斗の中を見ると革包が出ていてしかも口を開けたままである。
酒中日記
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
礎
(
いしずゑ
)
の朽ちた塔のやうに、
幾度
(
いくたび
)
もゆらゆらと立ちすくんだが、雨風よりも更に難儀だつたは、
怪
(
けし
)
からず肩のわらんべが次第に重うなつたことでおぢやる。
きりしとほろ上人伝
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
園「是は
怪
(
け
)
しからん仰せにござります、長谷川町の番人に毒酒を与えましたなどと云うは毛頭覚えない事でございます、
怪
(
けし
)
からんお尋ねを蒙るもので」
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
怪
(
けし
)
からん奴じゃ、無礼千万な! 勝手気儘に執権の屋敷へはいりおって! 宗八、剛蔵、確之進! 追い
駈
(
か
)
けて行って、
搦
(
から
)
め捕ってこれへ引き据えエ!」
棚田裁判長の怪死
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
▼ もっと見る
以て
貴殿
(
きでん
)
の
姪
(
めひ
)
小夜衣を身請して御當家へ
置
(
おく
)
とのお約束ゆゑ
金子
(
きんす
)
をばお渡し申せしに
何故
(
なにゆゑ
)
然樣のことを仰せられ候やと申に長庵大いに
怒
(
いか
)
り
這
(
こ
)
は
怪
(
けし
)
からぬことを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
と年甲斐もない事を言いながら、亭主は小宮山の顔を見て、いやに声を
密
(
ひそ
)
めたのでありますな、
怪
(
けし
)
からん。
湯女の魂
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
終日
(
ひねもす
)
灰色に打曇りて、薄日をだに
吝
(
をし
)
みて
洩
(
もら
)
さざりし空は
漸
(
やうや
)
く暮れんとして、
弥増
(
いやま
)
す寒さは
怪
(
けし
)
からず人に
逼
(
せま
)
れば、幾分の
凌
(
しの
)
ぎにもと家々の戸は例よりも早く
鎖
(
ささ
)
れて
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
三左 いかに御自分の御知行所でも、定めの
他
(
ほか
)
に無體の御用金など
怪
(
けし
)
からぬ儀でござります。
箕輪の心中
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
怪
(
けし
)
からぬ事を申すではないか。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
これ、
誰
(
たれ
)
か
来
(
き
)
たよ……
誰
(
だれ
)
だ、
其処
(
そこ
)
へ
穴
(
あな
)
を
開
(
あ
)
けたのは、
怪
(
けし
)
からん人だな、
張立
(
はりたて
)
の
障子
(
しやうじ
)
へぽつ/\
穴
(
あな
)
を
開
(
あ
)
けて
乱暴
(
らんばう
)
な
真似
(
まね
)
をする、
誰
(
だれ
)
だな、
覗
(
のぞ
)
いちやアいかん、
誰
(
だれ
)
だ。
にゆう
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
怪
(
けし
)
からぬ女
哉
(
かな
)
、と
怒
(
いかり
)
の余に
手暴
(
てあら
)
く
捩放
(
ねぢはな
)
せば、なほ
辛
(
から
)
くも
縋
(
すが
)
れるままに
面
(
おもて
)
を
擦付
(
すりつ
)
けて
咽泣
(
むせびなき
)
に泣くなりき。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
極
(
きは
)
め
猶
(
なほ
)
長庵に打向ひ是は
怪
(
けし
)
からぬ御
言葉哉
(
ことばかな
)
假令證文は白紙に變りし共
最初
(
さいしよ
)
小夜衣が使ひに參られ我を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
妾
(
わらは
)
が隣の
祖母様
(
ばばさま
)
は、きつい朝起きぢやが、この
三月
(
みつき
)
ヶ程は、毎朝毎朝、一番鶏も啼かぬ
間
(
あひだ
)
に
怪
(
けし
)
い鳥の啼声を空に聞くといふし、また人の噂では、
先頃
(
さきごろ
)
摂津住吉の
地震
(
なゐ
)
強く
南蛮寺門前
(新字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
圖「何だ
手前
(
てまえ
)
は、何をする、斯様なる
怪
(
けし
)
からん事をして何と心得て居る、何だ此の女を
辱
(
はずかし
)
めんとするのか、捨置き難い奴だが
今日
(
こんにち
)
は信心参りの事だから許す、
行
(
ゆ
)
け/\」
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
踏分々々
(
ふみわけ/\
)
彼お三婆の
方
(
かた
)
へ
到
(
いた
)
りぬ今日は
怪
(
けし
)
からぬ大雪にて
戸口
(
とぐち
)
へも出られずさぞ寒からんと存じ
師匠樣
(
ししやうさま
)
より
貰
(
もら
)
ひし酒を
寒凌
(
さぶさしの
)
ぎにもと少しなれど
持來
(
もちきた
)
りしとて
件
(
くだん
)
の
徳利
(
とくり
)
と
竹皮包
(
かはづつみ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
千代 ほんまに
怪
(
けし
)
うはないお寺か。
南蛮寺門前
(新字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
「これは
怪
(
けし
)
からん! 何ですと」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
嘸
(
さぞ
)
御立腹な訳でございましょう、
仮令
(
たとえ
)
どのような事がありましても
人様
(
ひとさま
)
の御家内を
打擲
(
ちょうちゃく
)
するとは
怪
(
けし
)
からん訳でございます、若年の
折柄
(
おりから
)
人様に手を掛ける事が
度々
(
たび/\
)
ありまして意見もしましたが
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それは
私
(
わし
)
は大勢を相手に切結んでおり、夜分でげすから能く分りませぬが、全く鞘の光を見て抜身と心得ましたかも知れませぬが、私が手引をして…是は
怪
(
けし
)
からん事でげす、どうも左様な御疑念を
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
安「こりア
怪
(
けし
)
からん奴だ、どうだい貞藏」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
“怪”の意味
《名詞》
(カイ)あやしいこと。あやしいもの。
(出典:Wiktionary)
怪
常用漢字
中学
部首:⼼
8画
“怪”を含む語句
怪物
怪訝
奇怪
妖怪
怪奇
可怪
怪異
怪談
怪鳥
醜怪
怪力
女怪
勿怪
物怪
怪火
怪体
奇々怪々
怪談噺
怪猫
妖怪的
...