“奇怪”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きかい45.9%
きっかい21.3%
きくわい16.4%
おかし3.3%
あや3.3%
けち1.6%
あやし1.6%
けげん1.6%
けったい1.6%
けぶ1.6%
グロテスク1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おばさんのはなしは、奇怪きかいであります。みんなは、いているうちに、気味きみわるくなりました。野原のはらうえには、たっていたけれど。
草原の夢 (新字新仮名) / 小川未明(著)
へい、それが間に合いませんので……火を引いたあとなもんでなあ——何のうらみか知らないが、こうなると冷遇を通り越して奇怪きっかいである。
眉かくしの霊 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
沈痛ちんつう悲慘ひさん幽悽ゆうせいなる心理的小説しんりてきせうせつつみばつ」は奇怪きくわいなる一大巨人いちだいきよじん露西亞ロシア)の暗黒あんこくなる社界しやくわい側面そくめん暴露ばくろしてあますところなしとふべし。
罪と罰(内田不知庵訳) (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
奇怪おかしなことのように朋輩は思って中には今の世間に能くある例をひいて善くない噂を立てる連中もあった。
二少女 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
奇怪あやしきこととてひたすらにおそれ惑うも愚かなり。よくそのうけべきとうけべからざるとをわきまえて惑わざるをこそ、真に知の大なる人というべけれ」
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
「いや、こちらにも奇怪けちな事件がありましてね、村長さん!」
してるとわたくしでなくとも、此樣こん想像さうざうおこるであらう、いま本船ほんせんあとふかの奇怪あやしふねあるひ印度洋インドやう大惡魔だいあくまかくれなき海賊船かいぞくせんで、先刻せんこくはるか/\の海上かいじようで、星火榴彈せいくわりうだんげ、火箭くわぜんとばして
自分が嬉しさの余り、疲れた足をりながら、いそいそ近づいてくると、初さんは奇怪けげんな顔をして
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「あんた、ほんまに奇怪けったいに思いなはったやろ。面目ない。笑うて、たんと笑うておくれやっしゃ、今松君」
寄席 (新字新仮名) / 正岡容(著)
奇怪けぶの奴らじゃ、いかに高貴とはいえ、小判一枚持たぬ身で、はるばる加賀まで参るとは、恐らく狂人か白痴であろうぞ!」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
人々は「今日こそは」という期待をもって毎日の新聞を取上げた、けれども週また週が、この奇怪グロテスクな秘密の幕を切って落すことなしに空しく過ぎて行った。