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奇怪
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きかい
ふりがな文庫
“
奇怪
(
きかい
)” の例文
おばさんの
話
(
はなし
)
は、
奇怪
(
きかい
)
であります。みんなは、
聞
(
き
)
いているうちに、
気味
(
きみ
)
が
悪
(
わる
)
くなりました。
野原
(
のはら
)
の
上
(
うえ
)
には、
日
(
ひ
)
が
当
(
あ
)
たっていたけれど。
草原の夢
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
すると
奇怪
(
きかい
)
にも、
其処
(
そこ
)
に現れた藝術品や藝術論から受ける印象は沙翁の其れにくらべると、
飛
(
と
)
んでもない相違のある事を発見した。
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
もとより龍太郎も忍剣も、この
奇怪
(
きかい
)
な
事実
(
じじつ
)
が、
意味
(
いみ
)
もないものだとは思わなかったが、そうまでの落とし
穴
(
あな
)
とは気がつかなかった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その後間もなくシャクは
妙
(
みょう
)
な
譫言
(
うわごと
)
をいうようになった。何がこの男にのり移って
奇怪
(
きかい
)
な言葉を吐かせるのか、初め近処の人々には
判
(
わか
)
らなかった。
狐憑
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
歩きながら、どうして世の中にこんな
奇怪
(
きかい
)
なことがあるのか、またどうしてそれが自分のからだをおそったのであろうかと、いろいろ考えつづけた。
透明猫
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
更
(
さ
)
らに
奇怪
(
きかい
)
なりしは仏国公使の
挙動
(
きょどう
)
にして
本来
(
ほんらい
)
その事件には全く
関係
(
かんけい
)
なきにかかわらず、公然書面を政府に
差出
(
さしいだ
)
し
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
博士
(
はくし
)
は、ぼんやりと
前方
(
ぜんぽう
)
を見つめて、考えこんでいたが、ぽとりと新聞を手から落としてしまった。いくら
考
(
かんが
)
えても、この
奇怪
(
きかい
)
な
事件
(
じけん
)
ははっきりしない。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
ぼくは一体、人目を
憚
(
はば
)
かったのか、それともそうしたあなたが
嫌
(
きら
)
いだったのか、それも
判
(
わか
)
らぬ複雑
奇怪
(
きかい
)
な気持で、どうでもなれとバスに
揺
(
ゆ
)
られていました。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
霧は音もなく其上を流れて、まぼろしに似た
奇怪
(
きかい
)
なものの姿が大きく、
又
(
また
)
小さく、
顕
(
あらわ
)
れたり隠れたりしているのが眼を惹く。動いているように想われる。いや
確
(
たしか
)
に動いている。
鹿の印象
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
まるで
符牒
(
ふちょう
)
を書いてあるようなものがある。で世人一般に分らない字を知るのをもって教育の最後の目的として居るのですから、実に
奇怪
(
きかい
)
なる教育の目的と言わんければならんです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
いろいろのふしぎなことがおこり、
奇怪
(
きかい
)
なものが、あらわれるようになりました。
壇ノ浦の鬼火
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
しかも、
更
(
さら
)
に立ち入って眺めると、一口に
没落期
(
ぼつらくき
)
の貴族文化の最後の歌い手とは言っても、ツルゲーネフ個人にとっての生家の事情は、すこぶる特異でもあり
奇怪
(
きかい
)
でもあるものでした。
「はつ恋」解説
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
あぶら
蝋燭
(
ろうそく
)
の燃えさし、欠けたナイフやフォーク、
陰気
(
いんき
)
くさいヴォニファーチイ、
尾羽
(
おは
)
うち
枯
(
か
)
らした小間使たち、当の公爵夫人の立居振舞い——そんな
奇怪
(
きかい
)
千万な暮しぶりなんかには
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
そのほかにはこの
奇怪
(
きかい
)
な出来事を判断する種になりそうな事は格別ない。ただ小姓たちの言うのを聞けば、蜂谷は今度紛失した大小を
平生由緒
(
へいぜいゆいしょ
)
のある品だと言って、大切にしていたそうである。
佐橋甚五郎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
ところがどうでしょうこの私ですが、この……になっている所々へ、
恰度
(
ちょうど
)
あてはめるにいいような、不思議な建築や変わった会話や、異様な絵画や
奇怪
(
きかい
)
な音楽に、ぶつかったじゃァありませんか。
さまよう町のさまよう家のさまよう人々
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
この
奇怪
(
きかい
)
な壁のすがたにはじめて目をとめたものはむすめでした。
真夏の夢
(新字新仮名)
/
アウグスト・ストリンドベリ
(著)
大講会
(
だいこうえ
)
の空を
飛行
(
ひこう
)
して、
試合
(
しあい
)
の心をみだす
奇怪
(
きかい
)
な女を、
拙者
(
せっしゃ
)
が
一火流
(
いっかりゅう
)
の
砲術
(
ほうじゅつ
)
をもって
撃
(
う
)
ち落とし、かく
衆人
(
しゅうじん
)
のさわぎを取りしずめたものを
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかし、だれひとり、この
奇怪
(
きかい
)
な話をきいて、これからどうすればいいか、はっきりと言える者はいなかった。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
少年たちは、だからもうそれ以上博士から
奇怪
(
きかい
)
な超人間X号の話を聞くことができなかった。そして割りきれない胸をいだいて、病院を引きあげたのであった。
超人間X号
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
僕
(
ぼく
)
が
石
(
いし
)
を
投
(
な
)
げると、一
時
(
じ
)
に
空
(
そら
)
へ
舞
(
ま
)
い
上
(
あ
)
がって、それはきれいであった。しかも、
奇怪
(
きかい
)
な
風景
(
ふうけい
)
という
感
(
かん
)
じがした。
空
(
そら
)
は、
毎日
(
まいにち
)
灰色
(
はいいろ
)
に
曇
(
くも
)
っている。そして、
寒
(
さむ
)
い
風
(
かぜ
)
が
吹
(
ふ
)
いている。
風雨の晩の小僧さん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
近くの壁画を見れば、
豺
(
やまいぬ
)
や
鰐
(
わに
)
や
青鷺
(
あおさぎ
)
などの
奇怪
(
きかい
)
な動物の頭をつけた神々の
憂鬱
(
ゆううつ
)
な行列である。顔も
胴
(
どう
)
もない
巨
(
おお
)
きな
眼
(
ウチャト
)
が一つ、細長い足と手とを
生
(
は
)
やして、その行列に加わっている。
木乃伊
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
されば
物凄
(
ものすご
)
い相貌の変り方について種々
奇怪
(
きかい
)
なる噂が立ち
毛髪
(
もうはつ
)
が
剥落
(
はくらく
)
して左半分が
禿
(
は
)
げ頭になっていたと云うような風聞も根のない
臆説
(
おくせつ
)
とのみ
排
(
はい
)
し去る
訳
(
わけ
)
には行かない佐助はそれ以来失明したから見ずに済んだでもあろうけれども
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
そのふしぎな人物をなんとかして地上へおろしてみたら、あるいは、
日吉
(
ひよし
)
の
塔
(
とう
)
の上にいた、
奇怪
(
きかい
)
な人間のなぞもとけようかと考えたのであった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
国会議事堂の上からころがり落ちた動くマネキン少年人形の
肢体
(
したい
)
とともに、おなじ夜に
紛失
(
ふんしつ
)
した猿田の死体の顔とおなじであったから、ますます
奇怪
(
きかい
)
であった。
金属人間
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
博士
(
はくし
)
はいわれるままに、たばこを
透明人間
(
とうめいにんげん
)
にあたえた。ところが、見るからに
奇怪
(
きかい
)
なことが起こった。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
こうした
奇怪
(
きかい
)
な
話
(
はなし
)
は、これまでに、二
度
(
ど
)
めであります。この
鉄道線路
(
てつどうせんろ
)
は、
西南
(
せいなん
)
から
走
(
はし
)
って、この
野原
(
のはら
)
の
中
(
なか
)
でひとうねりして、それからまっすぐに
北方
(
ほっぽう
)
へと
無限
(
むげん
)
に
連
(
つら
)
なっているのでした。
白い影
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
人間の
身体
(
からだ
)
を見ても、その通り。みんな意味の無い
奇怪
(
きかい
)
な形をした部分部分に
分析
(
ぶんせき
)
されてしまう。どうして、こんな
恰好
(
かっこう
)
をしたものが、人間として通っているのか、まるで理解できなくなる。
文字禍
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
最近はからずも月世界の
赤道
(
せきどう
)
のすこし北にある「危難の海」に
奇怪
(
きかい
)
な
異物
(
いぶつ
)
を発見したためであった。
月世界探険記
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
助手
(
じょしゅ
)
の
小田
(
おだ
)
さんが、
鏡
(
かがみ
)
を
新
(
あたら
)
しい
木箱
(
きばこ
)
におさめて、
北国
(
ほっこく
)
へ
旅立
(
たびだ
)
ったのは、
夏
(
なつ
)
もなかばすぎた
日
(
ひ
)
のことで、
烏帽子岳
(
えぼしだけ
)
のいただきから、
奇怪
(
きかい
)
な
姿
(
すがた
)
をした
入道雲
(
にゅうどうぐも
)
が、
平野
(
へいや
)
を
見
(
み
)
おろしながら、
海
(
うみ
)
の
方
(
ほう
)
へと
うずめられた鏡
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
この
奇怪
(
きかい
)
極
(
きわ
)
まる探偵事件に、主人公を勤める「
赤外線男
(
せきがいせんおとこ
)
」なるものは、一体全体何者であるか? それはまたどうした風変りの人間なのであるか? 恐らくこの世に
於
(
おい
)
て
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
その十人近くの人間と見えたのは、実は人聞だかどうだか解りかねる
奇怪
(
きかい
)
なる
生物
(
いきもの
)
でした。そうです。生物には違いないと思います、こうウヨウヨと蠢いているのですから。
崩れる鬼影
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
さてそれからはじまった椋島技師の行動こそは、
奇怪
(
きかい
)
至極
(
しごく
)
のものであった。
国際殺人団の崩壊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
まったく
奇怪
(
きかい
)
な事件だ。
金属人間
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
“奇怪”の意味
《名詞》
常識では考えられない不思議なこと。変わっていて怪しいこと。
(出典:Wiktionary)
奇
常用漢字
中学
部首:⼤
8画
怪
常用漢字
中学
部首:⼼
8画
“奇怪”で始まる語句
奇怪至極
奇怪千万
奇怪事
奇怪味
奇怪々々