“紛失”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふんしつ51.4%
なく18.9%
ふんじつ14.9%
なくな12.2%
ふんじゅつ1.4%
フンシツ1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その上、女の歸つた跡を見ると、留守中に探したものと見えて、用箪笥の抽斗ひきだしに入れて置いた、平次の覺え書が紛失ふんしつして居ります。
その少女は夕食のために定食を食べたのだが、食べてしまうと、金入れを紛失なくくしたと云って代を払わなかったと云うのである。
少女 (新字新仮名) / 渡辺温(著)
盜みし當人のいでざる中は文右衞門の片口かたくちのみにてゆるわけには成り難く尤も百兩の紛失ふんじつは言掛りなしたる久兵衞こそあやしき者なれととく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さ、その御話しというのは、あれも紛失なくなった、これも紛失った、針箱の引出に入れて置いた紫縮緬の半襟も紛失ったと御話しなさいました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
いかめしい、戒律そのもののようなむずかしい顔をした長老は、噠𡃤喇嘛紛失ふんじゅつの一部始終を詳細に渡って語るのであったが、その長い話もひき縮めると、次のような要点になるのであった。
喇嘛の行衛 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
一、書策ハツツシンコレ汚穢オエ紛失フンシツスベカラズ
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)