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紛失
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なく
ふりがな文庫
“
紛失
(
なく
)” の例文
その少女は夕食のために定食を食べたのだが、食べてしまうと、金入れを
紛失
(
なく
)
くしたと云って代を払わなかったと云うのである。
少女
(新字新仮名)
/
渡辺温
(著)
紛失
(
なく
)
した刀だと思ったらそれを持って何処へでも逃げちめえねえ、己は
後
(
あと
)
で其の侍と喰い合おうと死に合おうと構わねえからよ
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
家に帰ってから気がついてみると、その日、本阿弥から取った百両の金が、清麿のふところから、
紛失
(
なく
)
なっていた。
野槌の百
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
紛失
(
なく
)
されてはいささか困りますが、紛失なるような物ではなし、お貸しするとは云うものの、その実保管が願いたいので、ナーニご遠慮にゃア及びません。
銀三十枚
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
ある時、上衣を
紛失
(
なく
)
した上川が、ぬれ手拭をさげ、風呂からあがりたての、桜色の皮膚で帰って来た。こっそり、おさきに這入ってきたのだ。愉快がった。
武装せる市街
(新字新仮名)
/
黒島伝治
(著)
▼ もっと見る
横町の師匠のところで
紛失
(
なく
)
し、お今の足袋は犬でも
咥
(
くは
)
へて行つたとすると、この家で無くなつた品で本當に發見されないのは、用箪笥の鍵と、お文の櫛と、たつた二つだけになります。
銭形平次捕物控:132 雛の別れ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
何時の間にか戒脈が
紛失
(
なく
)
なつてゐるのに気が
注
(
つ
)
いた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
『
失敗
(
しま
)
つた、
紛失
(
なく
)
しちまつたア』
小熊秀雄全集-15:小説
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
もし、あれを
紛失
(
なく
)
したら、船へ責任を持たせますよ。宝石だけでも十万円位なものは、はいっているんですから
かんかん虫は唄う
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「今夜も
紛失
(
なく
)
してしまいました。いえいえ今夜ばかりではなく、その後ずっといろいろの土地で、お妻太夫さんを紛失しまして、心配をいたしましてございます」
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「どうしたんですか。何か
紛失
(
なく
)
したんですか?」支配人が、騒ぎの方へ、ちょかちょかと馳せてきた。
武装せる市街
(新字新仮名)
/
黒島伝治
(著)
横町の師匠のところで
紛失
(
なく
)
し、お今の足袋は犬でも
咥
(
くわ
)
えて行ったとすると、この家で無くなった品で本当に発見されないのは、用箪笥の鍵と、お文の櫛と、たった二つだけになります。
銭形平次捕物控:132 雛の別れ
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
重「そう致しますには肝腎の
紛失
(
なく
)
した物が出なければいけないのでございます」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そして、自分の
情婦
(
おんな
)
の手に預けて、
紛失
(
なく
)
してしまったことを白状すると、渋沢は、案外こだわらなかった。
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「で、またお
紛失
(
なく
)
しなすったので?」
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
誰か捕まえて下さい、いいえ、あのオペラバッグを取って下さい、あれを
紛失
(
なく
)
しては、大変なんです! お礼は、いくらでもあげる。事務長さん、どうして下さるの。
かんかん虫は唄う
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
嘲笑
(
あざわら
)
うように牛車の
轍
(
わだち
)
は彼を捨てて行った。城太郎は腰をさすって起き上がったが、ふと妙な顔して地上をきょろきょろ見まわし始めた——何か
紛失
(
なく
)
し物でもしたような眼で。
宮本武蔵:03 水の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ははは、
紛失
(
なく
)
してしまった物ならしかたのない話、なぜ先日、そう云わなかったのだ」
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その侍の顔が、熊のようなあご
髯
(
ひげ
)
を持っているので、城太郎は忘れていなかった。——宇治橋へかかる大和路の途中で、
紛失
(
なく
)
したと思った手紙の竹筒を拾ってくれたあの人なのだ。
宮本武蔵:03 水の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『先頃、大工小屋から、御邸内を改築した折の板絵図が
紛失
(
なく
)
なったのだ。——誰かそれを盗み出して塀越しに赤穂の者へ投げてやった者がある。——その嫌疑がかかったのだろう』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
紛
常用漢字
中学
部首:⽷
10画
失
常用漢字
小4
部首:⼤
5画
“紛失”で始まる語句
紛失物