“咥”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くわ82.3%
くは13.5%
くえ1.0%
くはへ1.0%
くら1.0%
ぐわ1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
朝家を出るとき敷島を口にくわえ、ひらりと自転車に乗るときのゆったりした高次郎氏の姿を私の見たのは一度や二度ではなかった。
睡蓮 (新字新仮名) / 横光利一(著)
見ると、床に落ちて、粉々こな/\に砕けてゐる洋盃コツプそばを、大きな灰色の鼠が血だらけな英雄の心の臓をくはへて小走りに逃げのびようとしてゐる。
ちからおとしちや駄目だめだから、らなんざこんなところぢやねえ、こつちなうでうまかまつたときにや、自分じぶんちやえかねえつてはつたつけが、そんでも自分じぶん手拭てねげはしくええてぎいゝつとしばつて
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
谷間たにあひゆゑ雪のきゆるも里よりはおそくたゞ日のたつをのみうれしくありしに、一日あるひあなの口の日のあたる所にしらみとりたりし時、熊あなよりいで袖をくはへて引しゆゑ
あおざめた怪しげな顔つきの者や放逸な口つきの者が、くらうべき餌食えじきと時とを待ち受けながら、人雪崩なだれの中に潜んでいた。どろが掘り返されていた。一歩ごとに群集の流れは濁っていった。
銀ギセルを横ぐわえに、唐桟とうざんの羽織に角帯といった風采で、見るからに、ぼくの父などとは肌合いの違う人であった。体格もでっぷりとしてい、仲通りの相場師仲間でも怖がられた者だったそうである。