“洋盃”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
コップ50.0%
コツプ21.7%
グラス6.5%
こつぷ6.5%
さかづき4.3%
カツプ4.3%
こっぷ2.2%
ウヰスキー2.2%
カップ2.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
卓上に伏せてある洋盃コップを起して、葡萄酒ぶどうしゅぎながら、こんな事を云う女の素振りは、思ったよりもしとやかに打ちしおれて居た。
秘密 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
見ると、床に落ちて、粉々こな/\に砕けてゐる洋盃コツプそばを、大きな灰色の鼠が血だらけな英雄の心の臓をくはへて小走りに逃げのびようとしてゐる。
遠野は故意わざとお道化どけた風に点頭うなづきつゝ棚から口の短いキュラソウの壺を取り下ろした、そしてそれを道助の洋盃グラスぎながら
静物 (新字旧仮名) / 十一谷義三郎(著)
樫田は、夢でも、昇降機より他はない! と繰り反しながら、洋盃こつぷをそのやうに上げ下げして、苦心の程を語つてゐるうちに、感傷家になつてしまつた。
日本橋 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
「うゝん。」と首をお振りになつたきりで、ウヰスキーの洋盃さかづきをお上げになる。おくみは壜を取つて注いでお上げする。
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
清潔きれい洋盃カツプれ』と帽子屋ばうしやくちれて、『みんなでひと場所ばしよ取交とりかへやうぢやないか』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
お葉は座敷へかえって、徳利とくり洋盃こっぷとを持って来た。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
私は、大二郎が突きさす洋盃ウヰスキーを退けながら、その否を鳴らさうとせき込むのであつたが、あはてればあはてるほど言葉が支へてどぎまぎしてゐるうちに、ついグラスに口をつけてしまつた。
心象風景(続篇) (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
カチンと洋盃カップを触れあわせると、二人は別々のさかずきからグッと飲み乾した。
火葬国風景 (新字新仮名) / 海野十三(著)