日本橋にほんばし
(第一日)快晴——私は八時に起床して、いでたちをとゝのへ、首途の乾杯を挙げ、靴を光らせ、そして妻の腕を執り、口笛の、お江戸日本橋——の吹奏に歩調を合せながら、この武者修業のテープを切つた。麗かな朝陽のなかには、もう春の気合ひが感ぜられる。 …
題名が同じ作品
日本橋 (新字新仮名)泉鏡花 (著)